【ゴルフに運はつきもの】Vol.21「我らがカープ、好調の理由は赤パター!?」
最強のサラリーマンとしてアマチュア時代に輝かしい成績を収め、49歳でプロ転向した“中年の星”こと田村尚之プロ。群雄割拠のシニア界で気を吐く異色プロが、自身のゴルフについて、そしてシニアツアーの裏側について語る。
ILLUST/Masahiro Takase
いよいよシニアツアーが開幕します! ということで、今、開幕戦の金秀シニア沖縄オープンが開催される沖縄で、開幕直前にこの原稿を書いています。
いやあ、今年は大会期間中の天気も良さそうですし、暖かくて非常に快適ですよ。それで今年は開幕戦を迎えるにあたって、例年以上にワクワクしています。というのも、ここ数年、私は毎年冬場に背中痛に悩まされていたんですが、このオフはそれがほとんど気にならなかったので。1年ちょっと前から取り組んでいる、強制ストレッチ? のおかげでしょうか、背骨周りのゆがみが解消されたのではないかと思います。このストレッチはかなりしんどいですが、ほんと続けてきて良かったですわ。思い返せば昨年のオフは、ジョギングや寝返りができないほど痛くて、その影響で春先はまったくクラブが振れなかったですから。今年は非常に順調でした。
とりあえず開幕戦からクラブはしっかり振れそうなので、楽しみなんですよね。また今年は、例年以上に強い新人さんが多数シニア入りしてくるので楽ではありませんが、春からギアを上げて頑張りますよ。
また、開幕戦から新しいアイアンを投入する予定です。昨年まで使っていたヤマハのアイアンが、もう10年くらい使っているので、そろそろ本気でほかも試してみないと、と思いましてね。まあ昨年もパーオン率1位だったので、ショットにそう困っているわけではないのですが、さすがにシャフトなどが金属疲労しているでしょうから。
それでこのオフは、ヤマハのニューアイアンとバティックのプロトタイプのアイアンに絞って、試打を重ねてきました。今年からボールもニューモデルに替わりましたので、よくわからない部分も多いですが、バティックのアイアンで開幕戦に臨みます。
このクラブの気に入ってるところは、ソールの形状とバウンス角、グース度合いですね。このあたりは、試作段階からスタッフの方々と話をさせていただいていたので、かなりよく仕上がっています。これから芝も生え揃ってくるので、さらに効果を発揮してくれるのではないかと期待しています。
それともうひとつ、今ワクワクすることがありまして。そうです、わがカープの奮闘です! 開幕から6連勝だなんて……。とくに開幕4戦目、地元マツダスタジアムでの開幕戦は、私も現地で応援してましたよ。そして目の前で、スカッと勝ってくれました。
思い返すと今年の1月、キャンプ入り前に佐々岡監督と高2軍監督とラウンドさせていただきましたが、その時私が使っていたキャスコの赤パターを佐々岡監督が気に入ったみたいで。佐々岡監督、ラウンド後に「僕もその赤パター買いますから、すぐ頼んでください!」って。その日は珍しく私のパッティングがよく入ったのもあるのでしょうが、そのパターは、ヘッドもシャフトもグリップも、ほぼ真っ赤で、完全に「カープ仕様」なんですわ。ドラフト会議には、抽選に備えて縁起を担いで赤いパンツをはいていくという佐々岡監督のこと、赤パターを見て、居ても立ってもいられなかったのでしょう(笑)。もちろんすぐに、「赤パター、届きました!」って連絡がありましたね。もしやあの赤パターがカープ好調の要因では!?
今年オフのカープ優勝コンペは、選手も赤パターだらけで開催しよ~や(笑)。頑張れ、カープ!『ガツガツGUTS!』じゃ。
田村尚之
1964年6月24日生まれ。「日本ミッドアマ」2連覇、「日本アマ」2位などを経て49 歳でプロへ転向。2016年「富士フイルムシニア」でツアー初優勝
月刊ゴルフダイジェスト2022年6月号より