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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.18「ミスしたら振り出しに…再起を図る母の超ストイック練」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

前回に続き、母の話をしよう。母は、昨年(※2016年)「日本女子シニアゴルフ」に出場し、9位タイとなった。めでたくシード権を獲得できたので、今年も出場する予定だそうだ。女子は男子と違いグランドシニア(60歳以上)がないので、シニアゴルフで上位を狙うには50代の今しかない。そう考えたようで「最後にまじめにやろうかな」と意欲を燃やしている。ただ、ネックとなっているのが、体力の衰え。

「クラブやボールが飛ぶようになったにもかかわらず、距離は昔に比べて格段に落ちてる。2打目なんか2番手大きいのを持たないといけないから大変なのよー」と嘆いている。

さらにはこんなことも……。

「この歳で上達するには(1)お金をかける(つまりクラブを新調し飛距離と球の高さを買う)、(2)体を鍛える、(3)ちゃんと練習する。この3つのうちのどれかじゃない?」

というわけで、母は3番を選択。最近練習に励んでいるわけだが……これがボクとは違い、実にストイック!

しばらく、お付き合い程度のゴルフしかしていなかった母。その間に体型が変わり(簡単に言うと太った)、それに伴いスウィングも変わってしまった。でも、どうせ試合に出場するなら、ちゃんとやりたい! というわけで、真面目な母はスウィングを構築し直す決意をした。といっても、ダイエットをするわけでも、筋トレをするわけでもなく、あくまで今の体型、体力に合ったスウィングを、というわけだ。

まず手にしたのは56度のSW。これをトコトン練習し、納得のいく球を打てるようになったら、次は50度。これも納得のいく球を打てるまで練習。母の言う納得のいくまでというのは……『常に同じ球が出ること』だ。自分でOKと思ったら次はPW→9I→8I→7I……と徐々に番手を上げ、最後ドライバーで完了。となるわけだが、これが一向に完了しない。なぜなら、途中でミスしたら、振り出しに戻り、56度から練習をし直すからだ。超、地道な作業……。

この練習を昨年オフから始め、今どの辺まで到達したかと言うと、なんとまだ9Iで止まっているらしい。

「9Iはやっとコントロールできるようになったんだけど、8Iを持つとダメなのよね。ドライバーまでの道のりは長いわー」と笑っていたが、本当だ。

「私意外と、紙の端っこ揃えるタイプなの~」と言う母。もし、同様のタイプの人がいたら、ぜひ真似してみてはいかがだろう。ご想像の通り時間はかかるが、母のショットは確実に精度を増しているように思う。

10球連続で自分の思った球が打てたら次の番手に替える。「納得するまでやらなきゃだめよ!」(母)


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年2月28日号より