トランプ前大統領がホールインワンを達成。フロリダ・ウエストパームビーチにあるトランプインターナショナルの7番181ヤードパー3、5番アイアンで打ったボールが、2度バウンドして、カップに吸い込まれた。

「メジャーで4勝、世界で72勝を挙げているE・エルスや全米シニアオープンで優勝しているG・サワーズ、それに素晴らしいツアープロであるK・デューク、M・グーデスとプレーしている際に私はホールインワンを出したんだ」と自身のウェブサイトで語っているトランプ氏。

ホールインワン自体は、そこまで大きな話ではないが、タイミングがタイミングなだけに、アメリカではちょっとした話題に。というのも、バイデン大統領が「前政権の無謀・無責任な政策と失政によって、記録的な財政負債を残した」と前トランプ政権を痛烈に批判した直後のことだったからだ。

アメリカでは11月に中間選挙を控えており、上院の3分の1、下院の全議席が改選されることもあり、ある意味で選挙戦はすでに始まっている。2年後に再度、大統領に立候補を考えているというトランプ氏にとっては、共和党内への影響力を残す一方で、バイデン大統領の批判には答えず、“エース”を出せるほど元気でシャープだとアピールしたということだ。

実際、トランプ氏のホールインワンをツイートしたのが、トランプ氏の支持を期待する上院議員に立候補している人物。フェイスブックやインスタグラム、ツイッターからアカウントを停止されているトランプ氏は、「みんなに（エースが）本当かと聞かれるから」わざわざ自身のウェブサイトで、「あれは100パーセント間違いない」と、“Make America Great Again（偉大なアメリカを再び）”という帽子をかぶってのプレーシーンなどを公開している。

ということは、エルスやサワーズらが宣伝に利用されたということ?　ゴルファーとしては少し複雑な気分……。

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月26日号より