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「自分が上手いと思ったことは一度もない」塩谷育代、尾崎直道らが殿堂入り

日本のプロゴルフ界において偉業を達成した選手を称え、顕彰する「日本プロゴルフ殿堂」は、3月11日、横浜市内で殿堂入り式典を行い、プレーヤー部門で尾崎直道(65)、塩谷育代(59)、レジェンド部門で安田春雄(79)らを顕彰した。

賞金王2回でツアー32勝の尾崎直道は、スピーチの冒頭で長渕剛の「乾杯」をアカペラで熱唱。「毎年歌っていたが、東日本大震災以降はやめていた。今日は結婚記念日と顕彰式だから歌いました」と会場を盛り上げた。殿堂入りの感想については「とろうと思ってとれた賞ではないから優勝とはまた違う感じ」と戸惑いを見せながらも「無我夢中でやってきて、その足跡が評価されていただいたもの。トーナメントプロとしての卒業証書と感じる。家族や息子たちが喜んでくれる」と結んだ。

2度の賞金女王に輝き、女子ツアー20勝の塩谷育代は、「自分が上手いと思ったことは一度もない。ほんとに下手くそだと思っていた」と当時を語り、金井清一らに交じって故田中誠一東海大教授の科学的トレーニングをいち早く取り入れたのも「上手くなりたい一心だった。日々の積み重ねで女王になれたのかな」としみじみと述懐した。

一方、レジェンド部門で顕彰された安田春雄は「選手時代は“俺が一番上手い”と思っていた。けど、いつも俺の上に1人いる。青木功かジャンボ尾崎だ。おかげで2位の数が日本一といわれるくらい優勝はできなかったな」とプレゼンターの青木副理事長をニヤリと一瞥、現役当時と変わらぬ豪胆で強気な一面を見せた。

コロナ禍で3年ぶりの開催となった今回は、昨年、殿堂入りを果たした欧州シニアツアー賞金王の海老原清治(73)や、50歳11カ月での最年長優勝記録を持つ岡田美智子(77)らも顕彰された。ほかに昨年マスターズ優勝の松山英樹、東京五輪銀メダルの稲見萌寧らが特別賞を受賞した。

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月5日号より