【通勤GD】時松隆光プロを育てた異次元打法「みんなの桜美式」Vol.22 フォローは「せき止めを外す」 ゴルフダイジェストWEB
絵や道具をフル活用して、イメージ重視のレッスンを行ってきた桜美式。特にジュニアには効果を発揮する。今週の通勤GDは「みんなの桜美式」Vol.22。
【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
前回のお話し
遠心力+向心力の
両方を使う
GD 先週の連載では、言葉ではなくイメージで学ぶ、がテーマでした。
篠塚 言語化された体の各関節の動きを耳で聞いて覚えるより、絵や兄たちの動きをイメージとして目で見て体現したほうが、簡単だし忘れにくい。今日は、「勾玉スウィング」のインパクト以降の動きについて、読者のみなさんにもイメージで学んでいただきましょう。旧来の常識では、インパクト以降は両腕を伸ばし、遠心力を使って腕やクラブを遠くへ投げ出すかのように、でしたよね?
GD はい、遠心力によって、残した体と、投げ出されるクラブとで、引っ張り合いが起きるようなカタチがいいと教わりました。
篠塚 「桜美式」は、以前も話したとおり、遠心力だけを意識しません。遠心力と同時に、中心へ向かう反対の力である「向心力」も使いましょうと。とくにインパクト以降は、向心力で腕やクラブを体から遠ざけてしまいたくない。
GD え? 遠心力で腕やクラブを遠くへ投げ出すのとはまったく逆に、体から遠ざけない!?
篠塚 腕やクラブといった体幹の外側にあるものが、体から離れれば離れるほど、回転力は鈍る。ゴルフのスウィングとは、二重螺旋を描く回転運動である、というのが私の「勾玉スウィング」の基本的考え方。二度目の回転が発生するインパクト以降で、腕やクラブを遠くへ、などという物理的に矛盾した動きは、わざわざ回転を鈍らせてしまうようなもの。しかも、再現性が低くミスヒットを誘発する「腕力」に頼って打たせるなんて、ナンセンスですよ。
GD 「腕力」ではなく、体の「回転」で飛ばせばいいということですよね。
篠塚 当然です。体の動きについて言葉で先に述べてしまうと、インパクト以降は両腕のひじ関節を伸ばして遠くへと投げ出すのではなく、逆に素速く左ひじが畳まれて、腕が近くに保たれたまま、鋭く体を回転させるのが正解。それが、7歳でも、そしてプロでも、楽に飛ばせて再現性が高く、ミート率が上がる、物理的に理に適ったスウィングです。
絵と道具を
フル活用
GD インパクト以降は「素速く左ひじが畳まれて、腕が近くに保たれたまま、鋭く体を回転させる」。それを「桜美式」で、イメージで教える際にはどんなふうに説明するのでしょう?
篠塚 まず、側溝にせき止めを作り、水がいっぱい溜まってくる絵を見せます(下図)。そのせき止めまで水がいっぱいに溜まったと同時に、せき止めを素速く上に引き上げなさい、といいます。すると水は、勢いよく真っすぐに側溝の空の部分へ放出されますよね。この「せき止めを外す」ときの動きこそが、インパクト以降のスウィングです。
GD 側溝が飛球線で、せき止めがインパクト地点のクラブで、それを素速く上に引き上げると勢いよく流れていく水がボールだと。
篠塚 旧来の常識だと、両手を重ねて握るグリップで、水を上から両腕で叩きにいき、インパクトの一瞬だけフェースをスクェアに当てようとしていた。さらにはインパクト以降、両腕を伸ばそうとしてしまうことでフェースターンが起き、少し遅れればスライス、早ければフックと、なかなか方向性が定まらなかった。まずは握りをテンフィンガーに改め、この側溝と水流、そしてせき止めを引き上げるイメージでスウィングしてみる。体の回転が鋭くなるのがすぐに実感できるし、フェースを長くスクェアに保てるから真っすぐ飛ぶことも理解できる。
GD 「桜美式」では、このイメージを補う道具まで使うとか?
篠塚 スコップの先に、クラブヘッドをつけた練習器具を作りました。これをせき止めだと思って素速く引き上げ、水を勢いよく流してあげなさい、と。コツは、左ひじを畳もうとか、ヘッドの動きをコントロールしようとか、体やクラブの位置や角度を気にしないこと。せき止めをイメージさえすれば、すべては自然にできてしまうという気楽さで。
GD うん! これは簡単ですし、確かに回転運動にキレが出てくるような実感がありますね。
篠塚 とても簡単でしょ。読者のみなさんもこのイメージで、短期間で上達してください!
ジュニア時代から絵や道具を使ってスウィングのイメージを作ってきた時松隆光プロのスウィング
週刊GDより
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