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【ヘッドデータは嘘つかない】ミスに強く安心して振り切れる! ヤマハ「RMX VD59」ドライバー

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はヤマハの『RMX VD59』ドライバーを取り上げる。

ルール上限に近い大MOIヘッド

先週紹介した『RMX VD』より大慣性モーメントの兄弟モデルが『RMX VD59』だ。

さて、クラブやヘッドを計測していこう。いつもどおり、数値はすべて実測値になる。クラブ重量が301.7gと標準的だが、クラブ長さが45.5インチとやや長く、スウィングウェートもD2.3とやや大きめなので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが290万g・㎠とやや大きくなっている。この値はドライバーのヘッドスピードが44~45㎧くらいのゴルファーがタイミング良く振れる設計と言えるだろう。

ヘッド形状は横幅が非常に広く、アドレスでは投影面積が大きく、いかにも打ちやすそうなイメージが出ている。そして、ヘッドの後方が低いシャローバック形状が強く、インパクトでのアッパーブロースウィングがイメージできる。ライ角度は62.5度の前モデル『RMX220』に比べると57.5度とフラットだが、兄弟モデル『VD』と違い平らなフェース面と小さなFP(フェースプログレッション)値の、いわゆるグースネックが特徴だ。

Point1 スウィングウェートがD2.3とやや大きい
Point2 クラブ慣性モーメントは290万g・㎠と標準的
Point3 フェース角は0度と完全スクエア

フェード系弾道が打ちやすい

実際に試打すると、まずアドレスでは投影面積が大きく安心感があり、前モデルよりもさらに強いグースネックと、『VD』とは違ったバルジ(フェース横方向の湾曲)のない平らなフェース面で球をつかまえるイメージが出ている。

試打クラブは10.5度で標準『ディアマナ YR』のSフレックス仕様。先週紹介した『VD』と同じシャフトは、軟らかめの設計ながら、スムーズなしなり感があり、アマチュアゴルファーには扱いやすいだろう。

そして、『VD』同様、ヘッド後方の可変ウェートがヘッドのトウ寄りに付いているので、真ん中の標準位置にウェートを置いても、フェース面のSS(スイートスポット)位置はフェースの中央よりもトウ寄りにくる。そのおかげで、フェースの中央で球をヒットしてもフェード系スピンが入りやすくなっていることが特徴だ。

重心深度が46.3ミリと非常に深く、また左右方向のヘッド慣性モーメントが5669g・㎠と非常に大きい。同時にヘッドのネック軸周り慣性モーメントも9447g・㎠と非常に大きくなり、ダウンスウィングでのヘッドの返りは緩やか。FP値が小さなグースネックヘッドとはいえ、『VD』よりも少しスピンが入った高いフェード系弾道が打ちやすい。また、フェースのクローズ状態を意識しながらスウィングできれば、グースネック効果で球をつかまえることも可能だ。ただし、ウェート位置は標準位置よりもDRAW寄りにしたほうがより球はつかまえやすくなるだろう。

ダウンスウィングでのヘッドの返りが非常に緩やかなので、始動からインパクトまではフェースクローズ状態を意識しながらスウィングしたい

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

ヤマハ

RMX VD59 ドライバー

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月1日号より