「ゲンちゃん」こと時松隆光がプロを招いてトークをする連載「わかった! なんて言えません」。今週のゲストは前回に続き大槻智春プロ。新しい年が始まり、いろいろな課題を持ってオフ期間に入っていく2人。今回は、スリムになって調子が上がった大槻プロに、ダイエット方法を聞く時松プロ。食事もショットにも“メリハリ”が大事なようです。

TEXT／Masaaki Furuya　PHOTO／Hiroaki Arihara

ホスト／時松隆光

1993年生まれ、福岡県出身。ツアー通算3勝。プロ10年目。テンフィンガーグリップで戦う。愛称は“ゲンちゃん”

ご指名／大槻智春

茨城出身。日大2年時にプロ宣言、ツアー1勝。20-21年、イーグル率、トータルドライビング部門で1位。一見強面だが優しく穏やか

時松　大槻さんはメッチャ酒がお強いという印象がありますけど、オフは飲まれますか。

大槻　飲むよ。昨日も（小平智と）2時半くらいまで。飲み過ぎた（笑）。

時松　飲むとどうなるんですか。

大槻　お酒が入ったらけっこうしゃべる。源ちゃんもそうでしょ。絶対、飲むと面白いと思う。

時松　ペースが合わないと思います。多分、僕がつぶれて寝ているときくらいから、大槻さんは本領発揮する感じだと思います。お酒は何が好きですか。

大槻　なんでも好きだけど、コロナ期間中にワインにハマってさ。資格をいろいろ調べて、ソムリエはちょっと無理なのでワインアドバイザーを取ろうと思ったんだけど、2021年の試合が始まってしまったから、いまだ取れてはいないんだけどね。でもなんだかんだいって飲むのは焼酎が一番好きかな。ゲンちゃんは九州だから、やっぱり焼酎?

時松　以前は焼酎をけっこう飲んでいたんですけど、今は太らないっていうのでもっぱらハイボールです。昨年は賞金王のチャン・キムやメルセデスランキングトップの大槻さんとか、ダイエットで痩せた人の活躍が目立ちましたよね。それで自分も痩せようかなと思っているんですけど、大槻さんはどうやってダイエットしたんですか。

大槻　一昨年、1年くらいかけて10㎏ダイエットしたんだけど、メインは糖質オフとたんぱく質多めの食事に変えたことかな。コロナの時期だったから、夜は外食にあまり行けないので、コンビニのサラダチキンとかにしたのがよかったんだよね。

時松　キツくなかったですか。

大槻　夜は寝るだけなので、お昼までにしっかり食べておけば十分だから。

時松　参考になります。

大槻　あとは、3年前から東京・四谷のトータルゴルフフィットネスでトレーニングとケアをやっているんだけど、去年はフィジカルのケアという点では、なかなか難しい1年だったよね。

時松　どういった点ですか。

大槻　いやぁ、コロナの最盛期にはなかなか都内に行くのが難しかったので、そうなると自分でやるしかない。でもそれだと、どこかしらで追い込めない部分があるので、やっぱりトレーナーさんとやったほうが精度の高いトレーニングができる。

時松　やっぱり体のケアって大事ですか。

大槻　大事だよね。だから僕はシーズン中、試合が始まったら基本、ラウンド後に練習場には行かないようにしている。

時松　確かにあまり見かけないですけど、なぜですか。

大槻　これは僕の勝手な意見だけど、ツアーを1年間やっていくにあたって一番大事なのは体力だと思っている。その意味でも、ラウンド後は体力を練習に使うよりも、ケアに時間を使ったほうが、翌日によりよい状態でティーグラウンドに立つことができるし、それを1年間通したらもっと違いが出てくると思う。

時松　でもほんと、手嶋多一さんとか今平周吾さんとか天才タイプの人は練習をあまりされないですよね。構えたらもう、こういう球でこう攻めるというイメージができているし、実際にそのイメージ通りの球が打てるんだから余計な練習をしなくても大丈夫なわけで。むしろ練習したほうが迷ってしまうようなデメリット的な部分が出てきちゃうんでしょうね。大槻さんを見ていても感じますけど。

大槻　そうね。自分は球を打つのが苦ではないので、やっていると無心で球を打ち続けてしまう。だからラウンド後は極力、練習場には近づかないようにしているんだけどね（笑）。

時松　大槻さんは決め球を2つ持っているというのもすごいところ。飛ばしにいったら飛ぶし、置きにいったらしっかりとポジションをキープできる。ドライバーもアイアンも打てますよね。

大槻　まあ、その打ち分けはしているよね。

時松　バーンと上げていってつかまったドローは、僕が今一番打ちたい球です。僕の場合は、全ショット大根切りで低いこすり球ですから。僕はインパクトで当てているだけだけど、大槻さんは球がフェースに乗っているというイメージがあります。どうやって打っているんですか。

大槻　練習方法は、僕もやったりするけど、ちょっと高めのティーアップでアイアンを打つ。

時松　球だけクリーンに打つんですか。

大槻　そう、球だけ。イメージとしたらドローボールを打つ感じだから、ヘッドは気持ち下から入れていく感じかな。アイアンを芝から打っていると、どうしても打ち込んでしまうからフェースに乗せる感覚はわかりづらい。でもティーアップをして打つと乗せるイメージがよくわかると思うよ。

時松　ありがとうございます!

「アイアンのティーアップ練習で、ヘッドを下から入れていく感じで打つとフェースに乗せるイメージがつかめます」（大槻）

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月1日号より