【The Rules】シャフトのシールがはがれそう。気になるからはがしても問題ないよね?
今日もコマッ太くん、マナブくん、キク子ちゃんの3人でラウンド。すると、ルールに関して意見がわかれる場面が。果たしてこんなとき、どう処置すればいい?
ILLUST/Tomoko Sano TEXT/Youichi Tsunoda
コマッ太くん
せっかちでうっかりでルールのミスや勘違いが多いのがたまにキズ。でも本当はマジメ
マナブくん
根っからの勉強家。ルールブックをよく読み裁定集にまで目を通している、頼れる存在
キク子ちゃん
ゴルフのプレーとルールはまだまだ勉強中。でも他人の意見をよく聞く耳を持っている
コマッ太君のクラブのシャフトについているシールがめくれていた。「気になるからはがしちゃおう」としたコマッ太君に、キク子ちゃんが「それをやるとルール違反になるんじゃない?」といった。ホントなの?
シールは軽いからクラブの性能には関係ないし、OKでは?
はがれかけたままだと、ヒラヒラして気になっちゃう。きれいにはがせばルール違反にはならないでしょ?
性能に無関係でも、自分ではがすとルール違反になるのでは?
はがれかけが気になるのはわかるわ。でも気の毒だけどそのままプレーしないといけないんじゃない?
果たしてどう処置するのが正しい?
自然の中で使うゴルフの道具は、意外にハードに扱われる。ときには損傷することもある。
ルール面の基本はこうなるよ。
〇ラウンド中に損傷したものは、引き続き使える。罰はつかない。
〇プレーを不当に遅らせなければ元の状態への修理もできる。
条件によっては損傷したクラブの取り替えもできるけど、今回は元のクラブを使い続けることを前提に考えていこう。
例えばクラブヘッドに貼った鉛が取れた、というとき。取れたまま使ってもいいし、取れた鉛をもとの状態に貼り直すこともできる。ただし、これには「損傷などが故意に起こされたものではない」という前提条件がある。
アウトなのは意識的に取ったり取れかけをはがしたとき。これをするとそのクラブは使えなくなる。使うと『ラウンド中にクラブの性能特性を故意に変えること』(規則4.1a(3))の違反になる。
シールも同じ。性能に影響しないと思えても、はがせば物理的な変更になる。この規則4.1aに違反したクラブを使った罰は失格。重大な違反になるから要注意だ。
知識豊富なジュニアは博士ちゃんと呼ばれて尊敬されるけど「はがせちゃん」は失格だからね!
※ゴルフ規則4.1aなど
ラウンド中に故意にはがすのは、物理的にクラブを変えることになり、ルール違反になる
月刊ゴルフダイジェスト2022年1月号より