【ゴルフせんとや生まれけむ】岩瀬恵子<前編>「兄の教え、目土袋とスコップは持参」
ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、アナウンサーの岩瀬恵子氏。
フジテレビの局アナ時代からトーナメントのラウンドレポーターを務めたり、フリーになってもゴルフ関連のお仕事をいろいろとやらせていただいていますが、私がゴルフを始めたのは“いいかげんな”きっかけだったんですよ、本当に申し訳ないくらいに(笑)。
コースデビューは会社に入った年の7月。同期に「ゴルフに行くんだけど行かない?」と誘われました。那須のゴルフ場でしたね。初めてで何をどう持っていくかもわからないままに出かけてラウンドがスタートしました。叩きましたねえ、200は超えていたと思います。しかも、ハーフが終わったら足が血だらけで、ビックリしていたらキャディさんが「それはブユだよ」って言うんですよ。ブユって何? 何か悪い虫? と思っていたらブヨのことだったんですね。ブヨのことを那須ではブユっていうんだって変なことに感心したことを今でもよく覚えています。大変な初ラウンドだったんですけど、本当に大変だったのは実はその後。というのも、私はゴルフ場でプレーが終わった後にお風呂に入ることを知らなかったから、着替えがなかったんですよ。これには焦りました。
出かける前に、大学の理工学部の体育会ゴルフ部出身の兄に「どうしたらいいの?」って聞いたんです。そうしたら兄が「これだけは持っていけ」と真面目に教えてくれたのが目土袋とスコップ。当時は「そうなんだ」と思いましたが、今考えると、それより着替えのことを教えておいてよという感じですよね。女の子がゴルフデビューするのに、着替えも日焼け止めも虫除けも持たず、でも目土袋とスコップは持って行ったなんて。そんなの私ぐらいじゃないですかね(笑)。
何ともすごい初ラウンドでしたが、とっても楽しかったんです。あまりにも楽しかったからそこから8週連続でラウンドしちゃって、そこからずっとゴルフにハマって。入社2年目の夏休みにはゴルフ合宿と称して女性3人でハワイに行って10ラウンドくらいして帰ってきましたし、系列局のゴルフコンペにもやたらに駆り出されて毎週のようにやっていましたね。
私はもともと運動音痴で自転車にも乗れないくらいなんです。だから、どんなスポーツをやっても楽しくなかったのにゴルフだけは別。スコアはともかく、エンジョイしていました。
岩瀬 惠子
1963年東京都生まれ。86年にアナウンサーとしてフジテレビ入社。97年退社後はフリーとしてゴルフ中継のレポーター、ゴルフ番組のMCの他「岩瀬惠子のスマートNEWS」(アール・エフ・ラジオ日本)パーソナリティとして活躍中。ベストスコア83
週刊ゴルフダイジェスト2021年12月14日号より