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【S-1グランプリ2021】いちばん“止まる”ウェッジは? 最新36モデルのスピン力を徹底検証

ドライバーの飛ばしと同じくらい憧れるのがグリーン上でキュキュッと止まるアプローチ。そんなアマチュアゴルファーの願いを叶えてくれる激スピンウェッジは? スピン力No.1のウェッジを決める「S-1グランプリ」、今年も開幕!

PHOTO/Hiroaki Arihara、Tomoya Nomura TEXT/Satoshi Araida THANKS/エンジョイゴルフ、ゴルフショップ チョイス

テスト条件
●ウェッジのロフトは56度で統一
●ボールはスネル「MTB-X」を使用
●ライは芝の長さ6mmの人工芝

予選 36本>16本

予選は50Yからのスピン量でランキング

今回エントリーしたウェッジは全36モデル。ここから予選で16モデルまで絞られる。予選は弾道解析器GCクワッドを使いスピン量を計測。2人のテスターによるベスト3球の平均値でスピン量をランク付けした。

予選の試打者はこの2人!

堀口宜篤(左)

米パームスプリングスで学んだゴルフ理論を生かし、プロからアマチュアまで指導する

小暮博則(右)

あらゆるクラブを試打し微細な変化を感じとる。パーフェクトゴルフアカデミー主宰

予選にエントリーした36モデルはこちら

予選トップは「ジューシー tT」

し烈なバトルが繰り広げられた予選ラウンドで、ジューシー勢が躍動した。トップ通過の「ジューシー tT」について、堀口プロは「ソフトな打感で、ボールを包み込んでくれるフトコロの仕上がり。打ち込んでも抜けやすくて、レベルに打ってもボールの下に入れやすいソール形状。絶妙に作り込まれたウェッジです」と話す。

前評判の高さから優勝候補にも挙げられていたブリヂストン「B-Limited BRM フルミルド」は、S-1のレギュレーションに合わせてロフトを調整したことが裏目に出たか、まさかの予選敗退となった。

<予選を通過した16モデル>

決勝トーナメント1回戦、2回戦 16本>4本

決勝は1対1のトーナメント形式

(1)1バウンド地点からボールが止まった位置までの距離で争う
(2)ピン半径3m以内のみ計測
(3)試打者のベスト3球を採用
(4)試打者3人の平均値でランの距離が短いほうが勝ち

決勝トーナメントの試打者はこの3人!

日下部光隆

ツアー3勝。現在はシニアツアーで活躍しつつレッスン活動にも従事。世田谷でWASSゴルフスタジオを主宰

馬場ゆかり

日本女子オープン優勝をはじめ、女子ツアー3勝の技巧派プロ。現在は育児に励みながらツアー復帰を目指し中

斉藤清裕

日本ミッドアマに出場するなど、多くのアマチュア大会で活躍する55歳。現役の東名CCクラブチャンピオン

決勝トーナメント1回戦
ベスト16>ベスト8

独特のソールデザインを武器に虎視眈々と優勝を狙うキャスコ「ドルフィン」は、ウワサに違わぬ実力を見せつけて2回戦へコマを進めた。

「重心距離が長めで“手打ち”になりづらいし、お助けソールなのにフェースを開きやすくて、球が飛びすぎないウェッジです。何球打ってもつねに安定して止まりました」(日下部)

決勝トーナメント2回戦
ベスト8>ベスト4

ベスト8になると、甲乙つけがたいシビアなバトルに。唯一の外ブラ対決となったCブロックは、激スピンの応酬でお互い一歩も譲らない。日下部プロと馬場プロは2人とも、ここまでで最高の記録をマーク。そして、男子2人のテスターが優勢だったクリーブランドが2回戦トップの成績で、ディフェンディングチャンピオンのピンとの激闘を制しベスト4へ進出。


セミファイナル 4本>2本

第1試合
三浦技研「MG-R01」
VS フォーティーン「RM-4 Sソール」

三浦技研「MG-R01」
50Yでの安定感が光った

3人のテスターがとくに50Y地点で同じように止まり、計測した3球のデータも一定していた

フォーティーン「RM-4 Sソール」
ラウンドソールで最高の抜けの良さ!

「ソールのヒール後方が落とされて、開きやすいしバウンスも程よく利く」(日下部プロ)

第2試合
ブリヂストン「ツアーB BRM」
VS クリーブランド「RTX DEEP FORGED」

ブリヂストン「ツアーB BRM」
わずか10cmの差! 2度のバウンスの違いが影響した

「RTX」は12度、「BRM」は10度と、2度のバウンスの違いがあり、後者のほうが操りやすいことが、テクニックを使い分けるプロには有利に働いた

クリーブランド「RTX DEEP FORGED」
馬場プロはRTXで2.5mの好成績!

50ヤード地点からの止まり具合は「RTX」が上回っていた。馬場プロと斉藤さんが好記録を出した

ファイナル

三浦技研「MG-R01」 VS ブリヂストン「ツアーB BRM」

30ヤードでは「MG-R01」が優勢だったが、50ヤードでは「BRM」が今大会で最高レベルの超絶スピンを見せつけて、鮮やかな逆転Vを飾った。

決め手となったのは、馬場プロが言う「フェースを開きやすくて操作できる」ということ。ストレートネックで刃先にやや丸みがあるので、違和感なくフェースが開けるし、ボールの下半分に刃先を滑り込ませてスピンをかけられた。

2代目のS-1チャンピオンは……
ブリヂストン「ツアーB BRM」に決定!

スピンも高さも出て、それが一定していた。ファーストバウンドでグリーンに噛みつくようにブレーキが利いた

ベスト4に輝いた激スピンウェッジをプレゼント!

月刊ゴルフダイジェスト2022年1月号より