【スウィング研究】西村優菜「強い捻転と下半身のパワーで飛ばす」
女子ツアーを牽引するプラチナ世代のひとり、西村優菜。今季すでに4勝を挙げ、賞金ランキングも4位につける。身長150センチと小柄な体格から繰り出される切れ味鋭いショットの秘密を分析。
PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa
解説/黒宮幹仁
1991年生まれ。連載「世界基準を追いかけろ」でお馴染みのプロコーチ。松田鈴英、梅山知宏らを指導
骨盤傾斜が崩れない
西村選手は奇麗なスクエアグリップで、150センチと小柄なのに、小さく見えない大きなアドレスです。両ひざを内側に絞らず、両ひざ頭が外を向き、骨盤は適度に前傾、股関節周りに締まりを感じます。背中がスッと伸び、教科書的です。
西村選手は上半身と下半身の分離が大きいですね。回転プラス捻転でパワーを生み出していきます。後方アングルのフォロースルーを見るとわかりますが、フェース面がほぼ真下を向いています。フェースローテーションも積極的に入れてヘッドを加速させています。これは綺麗なスクエアなグリップのなせる業ですね。
切り返しからダウンスウィングにかけて、右太ももを内側へ締め込む回旋が強く、右足の踏み込みも強く、地面をつかむ力の強さが伝わってきます。これだけ下半身を使っても、アドレスでの骨盤傾斜が崩れていません。普通の人がこれをやったら骨盤が前に出る、あるいは浮くなどして再現性が下がるもの。そうならないのは体全体の強さと、「下半身のエンジン」とも言える腸腰筋(背骨から大腿骨につながる深部腹筋群)がよほど強いのだと思います。
こういったアグレッシブな動きがキレを生み、それが飛距離につながっているのだと思います。
骨盤前傾が変わらないトップ
「トップではフェース面が斜め上を向き、ほぼスクエア。また前傾させた骨盤のアングルが変わっていません。上下の分離が大きく、捻転差によってパワーを生み出しています」
フェースターンでヘッドを加速
週刊ゴルフダイジェスト2021年11月23日号より