【キミこそ王子だ】Vol.261「きっかけは公園で出会った少女」9Iが武器の美スウィング女子
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は、宮崎県出身、日章学園高等学校1年の菅楓華さん。全国屈指の強豪校に通う彼女の武器は、ビタビタとバーディチャンスにつける9番アイアン。その秘訣に武市が迫る!
今回の王女候補
菅 楓華さん
すが・ふうか ●主な戦歴/2021 全国高等学校ゴルフ選手権3位タイ ●ベストスコア/67(サンヒルズGC) ●練習/毎日ハーフラウンド&150球 ●トレーニング/朝練&サーキットトレーニング
楓華さんがゴルフを始めたキッカケは少し変わっている。7歳のとき近所の公園である少女と出会った。2つ年上の彼女とは初対面だったが、気が合い楽しく会話をしていると彼女がゴルフをやっていることがわかった。
「ゴルフ楽しそう」と楓華さんがいうと、「一緒にやる?」と誘ってくれた彼女。なんと、そのノリで練習場に直行。彼女の父親に手ほどきを受けると、思いのほか楽しく、そのままハマってしまったのだとか。
あれから9年、楓華さんは全国屈指のゴルフ強豪校、日章学園に進学。先日行われた「全国高等学校ゴルフ選手権」では、高校1年ながら3位になるなど、立派な選手に成長した。
そのスウィングを見て武市は「キレイだね~」と絶賛。
「一応聞くけど、持ち球は?」
「ストレートです!」
「ボクもその言葉言ってみたい(笑)。アドレスもグリップもスクエアで、曲がる要素がないわ。そのなかでも、自分なりに気をつけていることはある?」
「ダウンスウィングで体から手が離れないことです」
「なるほど。ちょっとグリップエンドを自分に引き寄せるイメージで打つわけね。そのほうが力を出しやすい?」
「はい」
楓華さんの考え方に、武市も賛同。
「飛球線方向にヘッドを“押す”イメージで打つ人もいる。もちろん、それを否定するわけではないけど、ボク個人も“引く”イメージのほうが、力を出しやすいと思う。人間、押す力と引く力では、一般的に引く力のほうが強いといわれてるし。ただ、引くというと、左ひじを抜いてしまう人がいるんだけど、そうじゃない。抜くと引くは別物。注意点は、ダウンスウィングで軸が左へ動き過ぎず、アドレスやグリップがスクエアであること、などが挙げられるけど、楓華さんは、どれもクリアしている。だから、曲がらず飛距離も出せる」
「ありがとうございます」
「引くイメージだとクラブがキレイに振り抜けるから、球も高くなるし、ピンも狙いやすいよね」
武市のお見立て通り、楓華さんは9番アイアンを得意としている。ライが悪くなければ「バーディチャンスにつくイメージしかない」と言うほど。
「なんとうらやましい! でも、本当にその通りだから嫌味じゃない(笑)。それにしても、何が転機になるかわからないよね」
「??」
「だって、公園で『一緒にゴルフ行こうよ』って誘われたことがきっかけで、全国トップクラスの選手になるなんて」
「彼女には感謝しています」
「宮崎は市内から近くにゴルフ場や練習場がいっぱいあって、その場のノリでゴルフに行けちゃう、環境のよさもあるよね。ゴルファーがみんな宮崎でプレーしたがるわけだわ」
まだ高校1年。伸びシロたっぷりの楓華さんに「期待しかない」という武市だった。
週刊ゴルフダイジェスト2021年11月16日号より