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【週刊GD 表紙のウラ】「我慢できずに来てしまいました」青木瀬令奈の“もうひとつの夢”

週刊ゴルフダイジェストの表紙には、そのときどきの“旬”のゴルファーや、直近の試合で鮮烈な印象を残した選手、または近々“来そう”な選手などが採用される。なぜ、そしてどのような意図でその選手を表紙に選んだのか。出来立てほやほやの次号の表紙にまつわるウラ話を週刊GD編集長が語る。

【次号の顔】

青木瀬令奈

撮影/大澤進二

3カ月ほど前、「宮里藍サントリーレディスオープン」翌週の水曜日。編集部のKに連絡が入った。

電話の主は大西翔太コーチ。「実はいま、新橋に来ています。青木瀬令奈プロも同行しています。編集長へ挨拶と折り入ってのお願いがあって連絡しました。よろしければ、今からお会いすることできませんか」といった内容だった。

ずいぶんと急な依頼だが、先方は前週の試合のチャンピオンとそのコーチ兼キャディ。コロナ禍を考え、ホテルラウンジやカフェで会うことは避け、新橋の会社まで来ていただくことを提案した。

社内の応接室へ通し、初対面の挨拶の後、「折り入って」の内容を聞き始めた。

プロを代弁するように大西コーチ。「青木プロにはジュニア時代からの目標がありました。プロゴルファーになって試合に勝つことは大目標としてありましたが、それとは別にもうひとつ。試合に勝って、週刊ゴルフダイジェストさんの表紙に載ることが目標だったんです」

青木プロが続く。「表紙は雑誌の顔。難しいことは承知していますが、ゴルフを真剣にやり始めてから、その目標をこれまでずっと抱いてきました。先週、(サントリーレディスという)4日間競技の大きな試合に勝つことができ、我慢できずに来てしまいました」

  • <宮里藍 サントリーレディスオープン/六甲国際GC(兵庫)/6517Y・パー72/6月10日~13日>PHOTO/Tadashi Anezaki 六甲国際GCで開催された「宮里藍 サントリーレディスオープン」最終日、首位の稲見萌寧と4打差の2位タイからスタートした青木瀬令奈が逆転。4年ぶりとなるツアー2勝目を飾った。 昨年、コロナ禍で開催することができなかった……

週刊ゴルフダイジェストとしては、トッププレーヤーから直々にそういった依頼を受けることは、問答無用に光栄なこと。むしろ、お願いをされ、こちらこそ恐縮してしまう…。

とはいえ、青木プロが言うように表紙は雑誌の顔。二つ返事で「了解です」と即答できるものでもない。感謝を述べて、ひとしきりゴルフの雑談や初出場を決めた全英女子オープンへの意気込み、会場のカーヌスティの話などをした後、「表紙の件は預かります。改めて連絡させていただきます」と約束し、2人を見送った。

数日後、例の依頼について考えがまとまる。

青木プロといえば、「ツアーの中で飛ばないほう」どころか(失礼ながら)「明らかに飛ばない選手」。平均飛距離ランクを調べると、なんと93位。にもかかわらず6年連続でシードをキープ。飛ばし屋が有利な六甲国際GCでの4日間トーナメントで優勝という実績。

「パワーゴルフ全盛のなか、青木プロがいかにトーナメントで戦って実績を積み上げているのか、その戦略とワザを読者に語ってもらえませんか。そして、その特集号の表紙に、ぜひ、いかがでしょう」と、こちらから提案させてもらった。

快諾をいただいた。

多忙なスケジュールのなか調整していただき、ベテラン編集者Yに取材現場へ行ってもらって、出来上がったのが今号の特集であり、表紙。

飛距離アップを願うのではなく、今の飛距離でどうスコアメイクするのか。厳しい試合の場で、結果を出している青木プロと大西コーチの言葉の興味は深い。

来週発売号の表紙を先出し!

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