【ゴルフジム】「ドライバーが安定しない。トップが浅いのが原因だと思うのですが……」
PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara
THANKS/ETGA(江連忠ゴルフアカデミー)東京校
読者の悩みを教え上手なプロがマンツーマンで解決する連載「ゴルフジム」。今回のお悩みは「ドライバーが左右に散らばる」というもの。その解決法とは?
教える人/岡本和也
おかもとかずや。78年生まれ。03年から江連忠に師事。TPI公認インストラクター。対面でのレッスンが「わかりやすい」と、アマチュアだけでなくプロからも定評がある。また、クラブセッティングにも精通
<今週のお悩み>
「ドライバーで球が左右に散らばります」
●木下憲吾さん(53歳/身長173㎝/ゴルフ歴13年/ベストスコア79/平均スコア88)
一旦、トップの位置にクラブが収まってから、さらにもう一段階深く上体を回そうとするクセがあり、その結果、切り返しのタイミングが1球ごとにバラバラになりやすい。また、左肩を早く開きすぎるので、クラブが下から寝て入りやすくなっている
木下 ドライバーで球がばらけます。コースだと、バックスウィングが浅くなる感じがあるので、それが原因じゃないかと思っているんですが……。
岡本 トップを「浅くしたくない」と思うから、トップでの間がすごくあって、「2段モーション」みたいになっているのが気になりますね。一度、ちゃんとトップまで上がっているのに、そこからもう1段階、体をねじる、みたいな。
木下 でも、動画を撮ってみると、少しトップが浅い気がするんです。
トップを大きくしようと意識しすぎです
岡本 上体を形だけ深く回しても意味がないんです。テークバックは、右股関節でしっかり上体のねじれを受け止めることが大事で、受け止めきれずに股関節の位置がずれたり、伸び上がったりすると、いくら上体が回っていても思ったほどパワーが蓄積しないんですよ。木下さんの場合、上体の捻転可動域が大きいとはいえないようですので、無理に上体を回すより、しっかり下半身との捻転差を作ることを意識するほうがいいです。トップでは、別に「シャフトが地面と平行」でなくていいんです。
木下 そうなんですか。
岡本 右足の下に「回転盤」を置いて、右足自体を右に回しながらテークバックすると、右股関節の位置をずらさずに、上体の回転を受け止める感覚がわかります。
木下 確かに。これだと、手を高く上げなくても、しっかり捻転できます。この位置からなら、スムーズに切り返せそうです。
これで解決!
「状態を無理に回そうとせず
“下半身との捻転差”を意識しよう」
Point 1
右股関節と右かかとに圧力を感じて上げる
テークバックでは右股関節で上体の回転を受け止める感覚が必要。その際、右足かかとに体重がかかるように意識すると、腰の回転がスムーズになる
Point 2
左肩を開かずにダウンスウィング
切り返し動作がうまくいくと、上体より下半身が先行してねじり戻るので、左肩は開きづらい。左肩が開くのは、上体から切り返している証拠でもある
Point 3
クラブが上がり切る前に下半身で切り返す
Drill
右足を回転盤の上に置いてスウィング
練習器具の「回転盤」を使い、右足を右に回しながらテークバックすると、右股関節(右腰)をずらさずに上げる感覚がわかる。床の上で靴下を履いて行うなどしてもOK
週刊ゴルフダイジェスト2021年9月21日号より