2時間で30Yアップ! 城彰二さんが300Y超えを果たした目ウロコレッスンをレポート【動画あり】
PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/東名CC
5月のドラコン大会で275Yを記録した城彰二さんが、さらなる飛距離アップを求めてドラコンの松本一誠プロに1日入門。すると、なんとたった2時間のレッスンで300Y超えを記録。松本プロから教わった飛ばしのコツとは?
スウィングの基本は振り子
松本 5月のドラコンの試合、すごかったですね。僕も会場で観戦していたので、城さんが275ヤード飛ばして、エキシビションマッチで優勝するシーンをしっかりと目撃しました。
城 いや~、たまたまですよ。飛ばしにはもともと興味があって出場したんですが、プロの異次元の飛びを見て、ドラコンにますます興味が湧いてきました。
松本 今日はどうすればもっと速くクラブを振れて、飛距離アップできるかをお教えします。
城 それは、すごく楽しみです。
松本 まずは、力の使い方です。ゴルフスウィングは振り子と同じで、いかに振り子を効率的に動かせるかがカギなんです。
城 なるほど。
松本 振り子を大きく振ろうとしたら、どのタイミングで力を加えるでしょうか?
城 そうですね~。振り子が下り始めたところでしょうね。
松本 そうです。ゴルフスウィングもまったく同じで、飛ばしのプロは絶対にこの法則を守っています。切り返しから落下しようするクラブを後押しするように力を加えて、ヘッドを加速させているんです。クラブが上がりきる前に振り下ろすと、上向きの力と下向きの力が相殺されて、速く振ることができなくなってしまいます。
Point
クラブが下り始めたタイミングで力を加える
「クラブを速く振るには、トップまできちんと上げて、その力を受け止めて折り返す地点から力を加えることです。そうしないと、クラブが上がろうとする力とクラブを振り下ろす力が相殺されて、速く正確に振ることができなくなってしまいます」(松本)
クラブが上がり切る前に力を入れると、力が相殺されてスピードが出ない
振り子のイメージを動画でチェック!
松本プロの400Yスウィング
飛ばしのリズムは
イチ、ニー、サン!
松本 スウィングは振り子という意味、わかりました?
城 これまでボールを強く叩くことにばかり気をとられて、まるで意識してなかったですね。
松本 それは話をして正解でした。では、次にその振り子のリズムを覚える練習法を紹介します。1、2、3と声に出しながら素振りするんですが、1でアドレス、2でトップ、3で一気に振ってみてください。
城 ちょっとやってみます。あれっ、意外と難しいですね。トップで待ちきれなくなっちゃう。
松本 腕力で振ろうとしないで、腕と上体を脱力して、トップでため込んだ力を一気に放出するつもりで振るといいですよ。
Point
振り子のリズムを体にインプット
「1はアドレス、2はトップで、3で一気にフィニッシュまで振ります。振り子のリズムがマスターできれば、自分が持っているエネルギーを効率よくスピードに変換できるため、これだけでヘッドスピードが少し速くなります」(松本)
「1、2、3」のリズムを動画でチェック
アドレスで
右かかとを上げてみよう
松本 振り子のリズムがわかったところで、いよいよ飛ばしのテクニックを紹介します。
城 待ってました~!
松本 アドレスで右かかとを上げた状態からスウィングをスタートさせてください。
城 えっ、どういうこと?
松本 右かかとを踏む反動で、ヘッドを遠くに引きずるように上げるんです。これで、トップが確実に深く、大きくなります。
城 いままでやっていたバックスウィングとまったく違いますね。右のわき腹が伸ばされる。なんだか新鮮な感覚です。
Point
右かかとを踏む反動でバックスウィング
「アドレスで右かかとを上げて、踏み込む反動を使ってバックスウィングします。自然に重心移動が大きくなるので、深く大きなトップになります。右のわき腹の伸びを感じたら、飛ぶバックスウィングのサインです」(松本)
右かかと上げアドレスを動画でチェック
「フォローで加速」は
間違いだった!?
松本 力をしっかりため込んだ深いトップが完成したら、いよいよダウンスウィングです。よく「フォローで加速」とか「フォローで飛ばす」などと言われますが、ドラコン界では真逆です
城 というと?
松本 フォローサイドを振るのは方向性を上げたいときで、飛距離アップするなら、だんぜんダウンスウィングの右サイドを速く振るべきなんです。
城 振り子は下りてくるときに力を加えるんでしたね。
松本 そうです。バックスウィングをできるだけ遠くに上げたら、ダウンスウィングは体の近くを下ろすのがヘッドスピードを上げるコツ。トップの位置でヘッドを押さえていますから、引き下ろしてみてください。この感覚が飛ばせるダウンスウィングです。
Point 1
右サイドを速く振る
Point 2
大きく上げて小さく下ろす
「右サイドを速く振るには、バックスウィングを大きく遠くに上げて、ダウンスウィングを小さく体の近くから下ろします。クラブをトップで押さえてもらい、真下に引き下ろすとダウンスウィングの感覚がつかめます」
Point 3
ティーアップは高め
「高弾道、低スピンで打ち出すにはアッパーにボールをとらえる必要があります。ティーアップは高めでボール位置はやや左寄り。ボールを右から覗き込むような感覚です」
Drill
軽量の素振り棒で速く振る感覚をつかむ
「飛距離アップの仕上げは、スピードのリミッターを外すことです。軽量の素振り棒をめいっぱい振ると、プラス10㎧くらいのスピードで振れます。これで、速く体を動かす感覚をつかむんです」(松本)
素振り棒ドリルを動画でチェック
2時間のレッスンで300Y超え!
「ヘッドが走る感覚を
つかんじゃいました」(城)
城 なんだかこれまで逆のことをやっていたようで、目からウロコが落ちました。ドラコン大会の前に聞いておけばよかった~
松本 2時間のレッスンでこれだけ飛距離アップできたのは、城さんのポテンシャルがあってこそ。この動きをものにすれば、あと20~30Yは伸びると思いますよ。
【レッスン前】ヘッドスピード: 48㎧ 飛距離: 256Y
【レッスン後】ヘッドスピード: 52㎧ 飛距離: 302Y
※弾道計測はトラックマンを使用
週刊ゴルフダイジェスト2021年8月24・31日合併号より