【ギア選びのウソホント】Vol.48 球が上がらないのはスウィングよりも「打点位置」の問題かも?
「キング・オブ・試打」としてお馴染みの堀越良和プロが、長年の知見から、ギア選びの際に重視すべきポイントや注意点をわかりやすく解説!
先週、女性ゴルファーを例に「オーバースペックは百害あって一利なし」というお話をしました。そのなかで、ヘッドスピードが38㎧以下のゴルファーはスピン量を少なくするよりも、打ち出し角を上げることのほうが重要だとお伝えしましたが、これは男性シニアゴルファーにも当てはまります。
たとえばロフト角に関しては、かつて9度を使っていた方でも、いまは10.5度や11度を使い、クラブの力を借りて、ラクに飛ばそうとしているシニアゴルファーは多くいます。しかし、シャローバックで球が上がりやすいクラブにもかかわらず、理想の打ち出し角が得られないためか、ティーを高くしたり、スタンス幅を広げたり、ボールを左に置きすぎている方もいて、結果としてアッパーブローになりすぎ、芯よりもだいぶ下めに当たってしまう人が多く見られます。
ちなみに、1Wはロール(上下方向の丸み)の影響で芯より1㎝下に当たると、インパクトロフトは適正よりおよそ2.6度立った状態になります。つまり、たとえば、11度のロフト角でも1㎝下に当たると、実質8.4度となり、これでは球は上がりません。ロフト角を気にすることももちろん重要ですが、打点位置にも気を付けてほしいものです。
堀越良和
ほりこしよしかず。週刊ゴルフダイジェストで試打レビューを続けて約四半世紀の「キング・オブ・試打」
週刊ゴルフダイジェスト2021年8月3日号より