【PGAツアーファン倶楽部】年間王者を決めるプレーオフシリーズ初戦「ザ・ノーザントラスト」見どころは?
TEXT/Masato Ideshima PHOTO/Tadashi Anezaki
ILLUST/Takanobu Okabe
プレーオフシリーズの第1戦となるザ・ノーザントラスト。最終戦のツアー選手権に向け、生き残りをかけた戦いの見所を紹介。アグレッシブな伸ばし合いが予想される!
解説/杉澤伸章
すぎざわのぶあき。プロキャディの経験をもとに独自の視点でトーナメントを分析する
16億円のビッグボーナスへ
生き残りを懸けた初戦
ザ・ノーザントラストは、フェデックスカッププレーオフシリーズの初戦となる大会で、前週まで行われたレギュラーシーズンでポイントランキング125位までの選手が出場することができます。プレーオフはこの試合を含めて3戦。年間王者に輝けば約16億円ものビッグボーナスが待っています。そこを目指すためにまず重要な試合がザ・ノーザントラストということになります。
大会自体の歴史は古く、創設は1967年でウエストチェスタークラシックとして行われていました。2008年からはニューヨーク都市圏を中心に持ち回りで開催されていましたが、今年の舞台ももちろんニューヨーク近郊のリバティナショナルゴルフコースです。ここは自由の女神が見えるなど、都会的な景色とゴルフコースとのコラボレーションが唯一無二の光景を生み出しています。
開場は2006年とまだ新しいコースですが、設計はトム・カイトとボブ・カップが手掛けています。コースの特徴のひとつとして池絡みのホールが多く、プレーする側だけでなく、見る側にとっても楽しめるコースです。2017年に開催されたプレジデンツカップでは、大会の特性もありますが、各選手がかなりアグレッシブなプレーを見せてくれて盛り上がったことを記憶しています。このときは松山英樹選手もインターナショナルチームの一員として出場し、活躍してくれました。
池絡みのホールが多いと言いましたが、例えばパー5では、セカンドショットが距離的にまったく届かないとなるとレイアップという選択に割り切れるのですが、ここは今のPGAツアーの選手たちにとっては絶妙に届く距離が残ることが多い。そうなるとやはり狙わずにはいられないので、結果大叩きになることもあるわけです。
また、この試合で結果を残さなければ次戦には進めないため、ある程度みんながアグレッシブなゴルフになるはずです。そういう意味では舞台としては最適なコースと言えます。見応えのある伸ばし合いになる可能性もあります。大いに期待してください。
杉ちゃんのコース解説
「池を制する者が試合を制す!」
1番 | 2番 | 3番 | 4番 | 5番 | 6番 | 7番 | 8番 | 9番 |
Par4 | Par3 | Par4 | Par3 | Par4 | Par5 | Par4 | Par5 | Par4 |
398Y | 219Y | 395Y | 193Y | 427Y | 538Y | 484Y | 611Y | 474Y |
10番 | 11番 | 12番 | 13番 | 14番 | 15番 | 16番 | 17番 | 18番 |
Par5 | Par3 | Par4 | Par5 | Par3 | Par4 | Par4 | Par4 | Par4 |
513Y | 250Y | 431Y | 563Y | 150Y | 481Y | 325Y | 445Y | 490Y |
【4番・193Y・Par3】グリーン上の風の読みがポイント
右下から左上に斜めに配置されたグリーンはピン位置によって距離が大きく変わる。風が池の上を抜ける
【5番・427Y・Par4】右手前のバンカーに惑わされる
グリーンの手前に大きなバンカーがあり、グリーンまでの距離感を狂わせる
【10番・513Y・Par5】 フェアウェイが途中でセパレート
右ドッグレッグのパー5で、後半のスタートホールだけに、バーディを取って勢いをつけたい
【13番・563Y・Par5】 池越えの2オン狙いがアツい!
左ドッグレッグで距離は長くない。しっかりバーディを奪いたいパー5だが、左サイドの池は注意
【16番・325Y・Par4】 1オン可能なイーグルもあるパー4
終盤のパー4で1オンを狙えるだけに、スコアが大きく変動するキーホール。勝負の行方を左右する
【18番・490Y・Par4】 両サイドがハザードになっている
右には池とバンカーがあり、左にも外したくないためティーショットが鍵。グリーン右手前がバンカーにガードされており2打目地点からの距離感が掴みにくい。グリーン自体に癖はないものの、外すと難しいアプローチが残る。距離が長いパー4なだけに難度自体が高く、最終ホールで大逆転があるかも!?
杉ちゃんの“勝手にパワーランキング”
1位 ルイ・ウエストハイゼン
●1982年10月19日生まれ ●38歳 ●米ツアー1勝
プレジデンツカップでも活躍し、コースとの相性も抜群。頭を使うコースでこそ実力を発揮する
2位 パトリック・リード
●1990年8月5日生まれ ●30歳 ●米ツアー9勝
今季好調をキープ。大舞台で強さを出せるタイプで、プレーオフでも活躍しそう
3位 リッキー・ファウラー
●1988年12月13日生まれ ●32歳 ●米ツアー5勝
大穴的選出ではあるが、実力者であることは間違いない。復活に期待
松本進のスウィング解説
リッキー・ファウラー
「地面からの力を上手く使っている」
「決して体が大きいとは言えないファウラーですが、長年PGAツアーのトップ選手として戦っています。それは体に無理のないスウィングをしているからでしょう。切り返しからダウンスウィング、インパクトにかけて、ひざを伸ばしながら使い、地面の力をフル活用していますね」
スウィング解説/松本進
1986年より渡米し、最新のゴルフ理論とスポーツサイコロジーを学ぶ
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「ザ・ノーザントラスト」放送日時
1日目 8/19(木)深夜3:00~翌午前7:00
2日目 8/20(金)深夜3:00~翌午前7:00
3日目 8/21(土)深夜3:00~翌午前7:15
最終日 8/23(月)午前9:00~午後2:00
(※最大延長[3日日]午前8:00まで)
※1日目~3日目まで生中継・当日夜再放送あり
(https://www.golfnetwork.co.jp/)
月刊ゴルフダイジェスト2021年9月号より