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ラーム棄権の「メモリアル」。プレーオフを制したのはパトリック・カントレー

大会3日目に連覇目前のジョン・ラームが予期せぬ形(コロナ陽性)で姿を消したメモリアルトーナメント。プレーオフまでもつれた接戦を制したのは19年にも優勝しているパトリック・カントレーだった。

6打リードのラームが抜け、カントレーとコリン・モリカワが首位に並んでスタートした最終日。大会ホストのニクラスは「気持ちの持ち方が難しいだろう。この位置にいるべきじゃない、と考えるか、よしこれをチャンスに変えようと思うかで全く違ってくる」と2人を思いやった。

そんななか最終日は2人ともピリッとしないゴルフ。特に終盤、風の影響もありショットメーカーが揃ってフェアウェイを外し、パーオンを逃す苦しい展開。モリカワ1打リードで迎えた17番では突然の土砂降りに一時プレーが中断する不運も、カントレーが池に近いピンを果敢に攻め7.5メートルのパットを沈めバーディ。両者並んでプレーオフに突入し、1ホール目でパーをセーブしたカントレーが栄冠に輝いた。

「本当はラームと一緒にプレーして自分がロースコアで猛追して逆転勝利を挙げたかった。でもどうしようもない。与えられた状況で良い仕事ができたと思う」とカントレー。直近の5試合で予選落ち3回と苦しんでいたが、昨年のZOZO選手権以来のツアー通算4勝目を挙げフェデックスカップのポイントランクも1位に躍り出た。

一方敗れたモリカワは「プレーオフまで行って負けたのは最悪。でも今日は余計なことを考えず自分のゴルフに集中できたので良しとします」。敗戦を吹っ切るかのようにそう語った。

ニクラスに優勝を祝福されたカントレーは「いつも適切なアドバイスをくれ励まし続けてくれる彼のトーナメントで勝てたことは僕にとってとても特別なこと。メジャーでも頑張りたい」。世界ランクも15位から7位へ。寡黙でポーカーフェースのチャンピオンの今後に注目だ。

全米オープンの結果次第で東京五輪出場のチャンスも! (写真は2019年シュライナーズホスピタル。PHOTO/Tadashi Anezaki)

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月29日号より