【PGAツアーHOTLINE】Vol.5 ローリー・マキロイ<前編>「ショットの成否はアドレスで決まる」
PGAツアーアジア担当ディレクターのコーリー・ヨシムラさんが米ツアーのホットな情報をお届けする隔週連載「PGAツアーHOT LINE」。第5回はドライバー巧者のローリー・マキロイに学ぶ“構え”の極意について。
「どう振るかよりもどう構えるか」
ウェルズファーゴ選手権で1年半ぶりに復活優勝したローリー・マキロイ。彼の最大の武器はなんといってもドライバーです。
ここ10年で世界の舞台で25勝を挙げ、ワールドゴルフランキング1位の座を何度も経験してきたマキロイ。彼にとって、いかにドライバーのアドバンテージが大きいかはデータを見ても明らかです。
ストローク・ゲインド・オフ・ザ・ティー(ティーショットの貢献度)ランキングで彼は3回1位に輝いています。それ以外のシーズンでもトップ6を外したことはありません。
飛んで曲がらない精度の高いショットはどうすれば打てるのでしょう? その秘訣をマキロイは「実際にスウィングに入る前に決まる」と語っています。
「アドレスが間違っていたらすべて台無し。僕には2つのチェックポイントがあります」というマキロイ。その2つとは……
「まずはボールの位置。理想は構えたときの左足かかと延長線上のわずかに内側です。僕の場合は球を外( 左足のかかと線上よりも目標側)に置くクセがあります。そうすると右に体重がかかりすぎて球をすくい上げることになり、距離もロスするし方向性も定まらない。経験上左足かかと線上の内側が鉄則です」
ドローヒッターのマキロイにとって、ボール位置はなるべく中にいれたい。新しくピート・コーウェンをコーチにつけて、スウィング改造を行った(詳しくは次回)
2番目のチェックポイントは「ターゲットの設定の仕方」。
「どのクラブもそうですが、特にドライバーは遠くのターゲットを狙うのではなく、ボールの60センチくらい先にスパットを設定します」
200ヤード先の目標を狙えば誤差が大きくなる。視界に入る60センチ先のスパットを目標にすれば狙いが明確になるというわけです。
「あとはボールと60センチ先のスパットを結んだラインに対して体を平行に構えればいいだけです」
アマチュアはクラブをどう振るかばかりを考えがちですが、じつは「どう構えるかのほうが重要」とマキロイ。
いくら飛ばしても方向を間違えばそれはミスショット。皆さんもドライバーの名手の言葉に耳を傾けてみてはいかがでしょう?
コーリー・ヨシムラ
PGAツアーのアジア全体のマーケティング&コミュニケーションディレクター。米ユタ州ソルトレーク出身でゴルフはHC6の腕前
週刊ゴルフダイジェスト2021年6月29日号より