【ゴルフ野性塾】Vol.1688 日本は愛と奉仕の国民性。
古閑美保、上田桃子など数多くの名選手を輩出してきた坂田塾・塾長の坂田信弘が、読者の悩みに独自の視点から答える。
今日6月3日、木曜日。
現在時午後1時55分。
窓の外、街が消えて行く。
真東の山も消え、離陸の飛行機の姿も消え、500メートル先のビル建設のクレーンも消えた。
本稿、12時丁度に書き始めたが、その時は山も飛行機も見えていた。
赤と白のクレーン1機が消えた。
コロナワクチン接種の日が6月10日と決った。
2回目は6月30日だ。
1回目の接種終えたら練習場に行こうと思う。
足の爪先から踵間の体重移動で打ってみたい。肩の回転スピードが変る様な気がする。
スウィングのタイミングをどこで取るかを考えた時、爪先と踵の間の体重移動で取る事出来ればシンプルな打ち方になり、タイミングのズレ少なくなるのではと思ったからである。
恐怖は打ち急ぎと打ち遅れを生む。タイミングが狂う。
タイミングのコントロール出来れば打ち急ぎと打ち遅れ正せるのではと思う。
3人座りのソファに寝ていた。
足を肘掛けの上に置いて横になっていた。
フッと想った。
宙に差し出す足の裏を動かした。
バックスウィングで右爪先から右踵への動きを意識し、ダウンスウィングで左爪先から左踵への動きを意識した。
右踵から左爪先への動きは考えなかった。
横になってる体が動いた。
肩も腰も膝も動いた。
右足爪先から踵、左足の爪先から踵の体重移動を意識しただけで動いた。
お尻も動いた。
今、私のドライバー飛距離は230ヤード飛ぶか否かと思う。
スピードが消えて来た。
外を眺めた。
真東の山は見えない。
しかし、同じ色だった空が色変えを始めた。
雲が流れている。西から東へだ。風も出て来た。
姿を消したクレーン1機が姿を現した。
現在時2時25分。
体調良好です。
女房殿はゴルフの上手い同伴競技者。
定年を機にゴルフを始めて3年経ちました。少し遅れて妻も始めたのですが、週2回レッスン教室に通う妻のスコアが私に急接近してきました。現在、私のベストスコアは109(レギュラーティー)、妻は112(レディスティー)です。このままだと、妻にスコアで勝てない夫になってしまいそうです。目下の悩みは、ドライバーもアイアンも大事なところで出るヒッカケです。塾長、どうすればいいでしょうか。(神奈川県・匿名希望・63歳・ゴルフ歴3年・ベストスコア109)
女房殿のゴルフをライバルと見るか、同伴競技者と見るかが明確ではない。
ライバルと見るのであれば焦りもあろうが、貴兄に焦りあるのだろうか。
私の推察なれど、無いと感じた。
女房殿の上達を喜びなされ。それが亭主の器じゃないか。
人間、納得と寛大さと許容と妥協が器を作ると思うが、貴兄は女房殿の努力に納得の姿勢、見せてやればいいんじゃないのかな。
63歳の貴兄の上達は遅い方じゃない。
ただ、女房殿の上達の速度は速い。
予測するが今年中に追い抜かれると思う。それでもいいじゃありませんか。
女房殿の喜びは貴兄の喜びだ。
貴兄と女房殿、夜の営みあるのかな。
女房じゃ役立たずだが女房以外の女性だとまだまだ現役とゆう男性は私の周りに多くいる。
70歳過ぎてもバリッバリの現役とゆう奴もいる。
それこそが人それぞれの領分、己は己で生き行く領分であろう。
節操と不節操、肯定と否定、罪悪感と本能、いずれも突き詰めれば人間性、宗教に達するものと思うが、最近、突き詰めないで日々を過すが最善の生き様ではないかと思う様になって来た。
突き詰めて得になる事、多くないのが30年過ぎし夫婦だと私は思う。
我が家の女房殿は、昔も今も私に対して突き詰めの姿勢、崩しちゃあいない。
時効がないのです。
私は若い者に言っている。
結婚するなら時効持つ女性が一番と。
そりゃ、女性から見りゃ都合のいい話だと思う。
男の身勝手、男の我儘とゆう事は私にも分る。
しかしだ。時効は必要だ。
男は女になれないし、女は男になれないのは事実。
お許し下さい。それで終りにしてくれ、は男の腹の中の小さな叫びだが、寛大さが欲しいと思う。
私は昭和58年にペンを持ったが、私の書いて来たエッセイ、漫画原作、コラム等、女性に読んで貰っているとの情報は皆無に近い。
ビッグコミックオリジナル連載中の「風の大地」は平成1年に始まった作品なれど、33年の間、女性読者からの読んでます、とのアンケートは100人に1人あれば充分との低評価である。
女性は読んでくれてない。
読んでくれてるのは男性ばかりだ。
他の作品は最悪でも3割の女性アンケート票はあると聞くが、「風の大地」は1%を切る。
本稿、我が家の女房、読まぬと思いて書いているが、万が一にでも読んでしまったら家の中に冷たい風、漂うは必然。
貴兄の夫婦間、夜の営みないのであればゴルフが夜の営みに代るのではないかと思う。
ならば女房殿の上達、喜べばいい。
そして女房殿のゴルフへの出費、太っ腹になればいい。
アメリカの夜の夫婦生活、飽きれば離婚と聞く。
日本はそれだけでの離婚はないと思う。
私は愛と欲望が二輪と思って来たが、愛と奉仕が二輪の国民性もある様だ。
貴兄はヒッカケを修正して女房殿をライバルとするつもりか。
やめなはれ。
女房殿はゴルフの上手い同伴競技者とするのが最善。
貴兄の器を見せてやる時だ。
このクラブが欲しいとの申し出あれば希望叶えてやればいい。
いずれは女房殿に抜かれるゴルフである。
足掻かぬが最善。
家の中に冷たい風、漂う振る舞いは避けたい。
ただ、貴兄の悩みへの答えは述べる。それが本稿の役割であるが故にだ。
狭いスタンス、目標よりも左を向いて、左足爪先からスタンス中央の5カ所のボール位置で球を打って貰いたい。
一番曲りの小さいボール位置を見つけ、次に右膝を曲げて打って貰う。
左膝を曲げてはいけません。右膝だけを曲げて打って下さい。
それでヒッカケ球を出さないヘッド軌道が生れます。
ヘッド軌道を変えるには狭いスタンスで打つが一番。
本稿、不安を覚えながら書いた。女房、読まぬと信じて書いた。
以上です。
坂田信弘
昭和22年熊本生まれ。京大中退。50年プロ合格
週刊ゴルフダイジェスト2021年6月22日号より