【視野を広げてナイスショット】<後編>「景色を“ぼんやり眺める”あの感じまま、構えて打つを習慣づけよう」
週刊ゴルフダイジェスト
「北海道meijiカップ」でレギュラーツアー初優勝を果たした吉澤柚月。そのコーチが小誌レッスンでおなじみ、大本研太郎プロだ。プロテスト合格の前から見ているというが、そこで行われていたのが目線の意識や使い方の訓練だ。ナイスショットにつながる視野の作り方、前回に続き教えてもらおう。
PHOTO/Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa THANKS/東名CC、北海道meijiカップ

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- 「北海道meijiカップ」でレギュラーツアー初優勝を果たした吉澤柚月。そのコーチが小誌レッスンでおなじみ、大本研太郎プロだ。プロテスト合格の前から見ているというが、そこで行われていたのが目線の意識や使い方の訓練だ。ナイスショットにつながる視野の作り方、さっそく教えてもらおう。 PHOTO/Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa THANKS/東名CC、北海道mei……
「目のテンション」は絶対に強くしない!
有効視野の最大化、ステップ2は目の強さを和らげること。目ヂカラが影響するのか?
「有効視野を生かすには、目のテンション=目の強さがポイントになります。大切なのは“強く見ない”ことです」
強く見るとは、どういう状態を指すのか?
「簡単に言えば凝視です。つまり中心視が優位な状態です。たとえば、財布をなくしたとき、人間はどうなると思いますか? みんな目が血走ります。どこどこ? と周りをキョロキョロ捜すはずです。これこそが中心視です。中心視は本を読んだり、スマホを見たり、プラモデルを作るときなどは有効ですが、動作やスポーツには向きません。本を読みながら歩いたらクルマにひかれますからね。
そこで試してほしいのが『薄目』です。いきなりショットは難しいのでパットやアプローチから始めるといいです。薄目にすると目の強さが抑えられ、有効視野を最大化できます。そうすれば動きもスムーズになります。パットで悩んでいる人にはおすすめです。ミスが続いて目が強くなっている場合は空を眺めたり、水を飲んだりすると目の強さをリセットできます」
Drill 1
目を細くしてパットする

「できるだけ目を細めて薄目にし、パットしてみましょう。これだけで目の強さが和らげられます。有効視野が確保され、ムダな力みもなくなり、スムーズにストロークできるはずです」
× 目を見開くと凝視になりミスしやすい
「例えばバンカーでミスした時など。すると目は見開き、目力が強くなります(中心視が優位)。ボールを凝視するほど、体は硬直し、さらなるミスを生みます。目は決して強くしてはダメです」

Drill 2
空の雲をぼんやり眺める

「ミスショットが続くと目が強くなります。そんなときは空の雲や風に揺れる木々、飛んでいる鳥に目を向けます。広い景色をぼんやり眺めると目の強さを和らげることができます」
Drill 3
水を飲んだり深呼吸して目をリセット
「中心視が優位になると周りが見えなくなります。そんなときは水を飲んだり、深呼吸をしたりして目の強さをリセットします。凝視は次のショットにも影響しますからね」

景色を眺めるようにボールを打てるか
有効視野の最大化、最後は実践編だ。有効視野の範囲を理解し、目のテンションを弱める。この2つをルーティンに組み込んでいこう。
「まずはボール後方でターゲットを決めます。ターゲットは立位で見ますので、このときの有効視野が最も広い状態になります。開けたコースなら問題はないですが、狭いホールや池越え、ドッグレッグなど、難易度が上がるほど、中心視が強くなりやすいことも覚えておきましょう。
このルーティンで一番大切なのが、有効視野でとらえたターゲットの景色を変えずにセットアップすることです。つまり目のテンションを一定に保てばいいのです。そのためにはターゲットを狙うところから、まばたきを1回もしないで打つのもひとつの手です。まばたきをすると景色がリセットされるからです。
1点を凝視する中心視ではなく、有効視野を最大化したときの見え方こそ、レッスンでよく言われる『景色を変えない』『ぼんやり見る』の正体です。そしてこのぼんやりモードが集中力を高めるための入り口になります。もうひとつアドバイスをするなら“アホ顔”もおすすめです。呆けた表情は目のテンションが弱まり、ぼんやりモードに入りやすいんです」
ルーティン 1
ボール後方でターゲットを決める

「立った状態でターゲットを見ると有効視野はかなり広い範囲になります。当然、目のテンションは強くなるより、弱くなるはずです。空を眺める、遠くを見るなどと同じになるからです」
ルーティン 2
有効視野でとらえた景色を変えずにセットアップ
「ボール後方で見た景色(有効視野でとらえた景色)の目の状態をそのままキープしながらセットアップに入ります。目のテンションを変えず、一定に保つイメージが大切です」

ルーティン 3
アドレスではボールをぼんやり見る

「アドレスに入っても目のテンションは変えません。するとボールをぼんやり見ている状態になります。ボールを見ているようで見ていない。これが有効視野が最大化した証しです」
ルーティン 4
アドレスの景色を変えずに振り抜く
「ぼんやりモードでセットアップできれば、その景色を変えずに振り抜くだけです。中心視にならなければ、体はスムーズに動き、集中力も増し、ナイスショットの確率も上がります」

POINT 1
ヘッドをターゲットに向けるのはNG

「ボール後方でターゲットを見るとき、ヘッドを持ち上げて狙いを定めるルーティンがありますが、これは中心視を強めるだけなのでおすすめしません」
POINT 2
まばたきを1回もしないでセットアップ
「ターゲットを狙うところからまばたきを1回もせず、セットアップすると目のテンションが一定になり、景色も変わらずにスウィングできます。最初は長いクラブではなく、パットやアプローチから試してみましょう」

ボヤッと見えると凝視になりにくい
ボールを凝視してしまう。これはミスショットが多いアマチュアの悪いクセでもある。「そんなときはコレ」と大本プロが教えてくれたのが、カラーボールを打つことだ。
「桑木志帆選手が全英女子オープンを制覇してカラーボールが話題になりましたが、黄色やオレンジ、赤といった暖色系の色は進出色と言われ、ボールが浮いているように見えます。すると凝視になりにくく、ぼんやり見ることができるんです。カラーボールはおじさんっぽいと思われがちですが、意外な効果があるので一度使ってみてください。プロはほとんどボールを見ません。見るのはミスヒットしたときだけです(ロストしないため)。目のテンションが強くならない、ぼんやりモードは訓練で習得できます。まずはボールを見すぎず、景色としてとらえる。そこから始めてみてください」
POINT 1
カラーボールなら凝視になりにくい

進出色/オレンジや黄色、赤など
後退色/黒、青、紫など
「定番の白も進出色ではありますが、明るさや彩度が高い黄色、オレンジ、赤色などのほうが、ぼんやり効果は高いです。今はカラーボールも豊富にありますからモデルも選べます」
POINT 2
同伴者のボールも見すぎない!
「ぼんやりモードは、訓練で習得できます。自分のボールだけでなく、同伴者のボールも見すぎないようにしましょう。中心視が優位になったら目のリセットを忘れないように」

週刊ゴルフダイジェスト2026年9月22日号より


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