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【視野を広げてナイスショット】<前編>「吉澤柚月もこれで覚醒!“有効視野”でゴルフは上手くなる」

「北海道meijiカップ」でレギュラーツアー初優勝を果たした吉澤柚月。そのコーチが小誌レッスンでおなじみ、大本研太郎プロだ。プロテスト合格の前から見ているというが、そこで行われていたのが目線の意識や使い方の訓練だ。ナイスショットにつながる視野の作り方、さっそく教えてもらおう。

PHOTO/Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa THANKS/東名CC、北海道meijiカップ

吉澤柚月 よしざわ・ゆずき。2003年11月23日、千葉県生まれ。2023年プロテスト合格。レギュラー1勝、ステップ・アップ1勝。プロ3年目で初優勝。三菱電機所属

解説/大本研太郎

おおもと・けんたろう。2018年PGAティーチングプロアワード最優秀賞受賞。恵比寿にあるスタジオ「GPC恵比寿」を主宰。スウィング理論だけでなく、マネジメントやメンタル、フィジカルにも精通する理論派プロ。現在、藤田さいき、臼井麗香、吉澤柚月、永嶋花音、高橋しずくを指導中。

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視野の作り方で動作は変わる

吉澤柚月の初優勝だけでなく、藤田さいきの11年ぶりの復活優勝など、数々の優勝をサポートしてきた大本研太郎プロ。その指導の場で語られていたこととは何か?

「パットコーチとして藤田選手や吉澤選手を見てきましたが、共通して伝えていたのは『カップの意識は消す』です。カップを見るということは頭が動きます。これでは軸がブレ、ミスパットになります。構えたときの視野を変えずに打つ。これができれば軸が安定し、再現性の高いパッティングが可能になります」

目線や視野がカギになるという大本プロは「有効視野を最大化することが大事」と語る。どういうことなのか?

「人間の視野は3つに分けられます。①中心視 ②有効視野 ③周辺視野です。この中で最も注目したいのが『有効視野』です。中心視はいわゆる凝視の状態です。1点に視線を集中させるイメージです。一方、周辺視野は有効視野のさらに外側で、物の形や色を明確には判断できません。そこでカギになるのが有効視野です。有効視野は脳が明確に認識できる範囲であり、最もスムーズに動けます。イメージするなら階段を下りる動作です。誰もが何気なく階段を歩きますが、どうして転ばないのか? 

それは有効視野が最大化したことで、集中できているからです。ステップを見ているようで見ていない感覚。凝視ではなくぼんやり見ている感じ。景色が変わらない状態など、さまざまな表現がありますが、これらすべては、有効視野が最大化した結果なのです。この有効視野をゴルフに生かしたいんです」


POINT 1
人間の視野は3種類
一番大切なのが「有効視野」です


「中心視は物の形や色がはっきり見えます。有効視野は脳が明確に認識できる範囲。そして周辺視野は色や形がわからないぼやけた領域です。有効視野は60度くらいの範囲になります」

POINT 2
周辺視野が強いと……
注意散漫になり集中できない

「同伴者の動きが気になる、カップに意識が向くなど、周辺視野が強く働くと注意散漫になり、集中できません。カップを見てしまうパットは周辺視野が優位な状態といえます」


POINT 3
中心視が強いと……
ボールを凝視するためミスパット確定

「上手く当てたい。このパットは決めたい。そういう不安や期待が強いほど、中心視になりやすいです。ボールを凝視する=目が強くなると体は硬直し、ミスパット確定です」

急な階段だと中心視が優位になる

「傾斜が強い、ステップが狭いなどの場合、有効視野よりも中心視が優位になります。これは氷の上を歩くのと同じで、転ばないように目力が強くなるわけです」




有効視野の最大化ステップ❶
視野を意識する
パターとドライバーで有効視野は変わります

有効視野の範囲を体に覚え込ませる

ここからは有効視野を最大化するためのレッスンに入ろう。大本プロはクラブによって有効視野が変わるという。

「有効視野は片側30度、左右60度の視野角になります。ということは、構えた姿勢(前傾角度)によって視野の範囲が変わるわけです。パットなら片側約60センチ、ドライバーなら片側約90センチくらいになります。その位置にパイロンなどの目印を置いてみましょう。その両方の目印が視界に入った状態で素振りや球打ちをしてみてください。そうすると有効視野を意識できるようになります」

まずは有効視野となるエリアを把握しようということだ。そこでポイントになるのが、ターゲット方向とは逆に置かれた目印にある。

「アマチュアの多くは、右側のパイロンを見失いがちです。これはカップを見てしまったり、出球が気になってヘッドアップするなどが原因です。少なくともフォローまでは両方のパイロンが見えている状態を意識しましょう。有効視野が最大化できれば、軸は安定しますし、集中モードに入りやすくなります」

パットのアドレス

左右約60cmに目印

「左右のパイロンが視界に入ることを意識」

Check 1
有効視野が狭いと小さい筋肉が反応しやすい


「パッティングのような有効視野が狭い場合、手先や腕、肩など、小さい筋肉が反応しやすくなります。インパクト後も左右の目印は視界に入れておくことを意識します」

Check 2
大きく振れないからパット&アプローチに適している


「パットやアプローチはクラブが短く、前傾も深くなるため、有効視野は狭くなります。そうすると大きく振れないことがわかるはず。視野によって振り幅が変わるのです」

ドライバーのアドレス

左右約90cmに目印

「右側のパイロンは見失いやすいので注意」

Check 1
有効視野が広いと大きな筋肉が動かしやすい


「ドライバーのようにクラブが長いと前傾が起きたアドレスになるため、有効視野は広くなります。視野が広がるほど、背中やお腹、お尻など、大きな筋肉が動かしやすくなります」

Check 2
フルショットができるため出力が上がる


「有効視野が広くなるとフルショットが可能になります。視野が広いということは、出力を上げても軸やバランスが保てるからです。有効視野とショットがリンクしている証しです」


左右の手で視界を覆うと有効視野を意識できる

「タイガーがグリーン上でよくしていましたが、左右の手で視界を覆うと有効視野を意識しやすくなります。ターゲットは1点で見るのではなく、エリアで見ること。このイメージが大事です」

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週刊ゴルフダイジェスト2026年9月22日号より

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