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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.912「パッティングの打ち方はさまざまだけど、信念を持ったストロークが一番大事なことです」

KEYWORD

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

>>前回のお話はこちら


あるプロのSNSの投稿に「パットの転がりを良くするため厚めに当てている」というコメントがありました。個人的には「厚め」よりむしろ刃で打つような「薄め」の方が引っかからずによく転がると思うのですが。(匿名希望・HC3) 


パッティングでボールをヒットする際、ボールをフェースのスイートスポットでとらえるのが基本ではあります。

パットに限らず全番手、ボールを打つときは、基本的に常に芯でとらえるべきものでしょう。

ですが、パッティングでは、ラインによってはわざとスイートスポットを外して打ちたい場面もあることにはあります。


例えばグリーン面が少しでこぼこして転がりに影響が出てヨレてしまいそうなときや、下りでとても速く見えるときなどに芯を外すことが稀にあるかと思います。

ここでは「芯でヒットする」打ち方のことを「厚めに当てる」と表現しているものと解釈させていただき、厚く当たるのが芯を食ったインパクトで、薄く滑ったような当たりはボールをかすってトップした状態を指しているのだろうと判断して話を前に進めます。

パッティングとは微妙なもので、グリーンの状態に応じて繊細なタッチが要求され、いつもと同じ打ち方では対応できないケースも出てきます。

あえて普段と違う打ち方をするときにするのが、パターフェースの下端エッジでボールの上部を弾くようにトップさせて打つ方法です。

この打ち方をすると、順回転してボールがグリーン面にぴったりと押し付けられたようになり転がりやすい。

ボールの転がりがグリーン面の凹凸や少々の芝目などには影響を受けにくくなることがあります。

一方、厚めに当てるというパッティングはそれと対照的な打ち方と言えます。 パターフェースにはわずかながら3度くらいロフトがつけられています。

そのため、少しハンドファーストでロフト0度でボールをとらえるようにストロークしますが、グリーン面を順回転するまでに多少時間がかかります。

このコンマ何秒かのボールの動きの中に、プレーヤーが意図しない不確定要素が含まれると考えられるわけです。

厚く当てるというのは、パターヘッドの芯でしっかりとヒットするという感覚を表しているのだと思います。

そう心がけることで、どんなプレッシャーのかかった状況下でも、普段と変わらない安定したインパクトとストロークのパッティングができると考えることも、ゴルフをするうえで大事なことだと思います。

ゴルフの優劣を決める要素の一つとして、確率がとても大きな影響を持ちます。

自分の信じるやり方、成功率の高い選択が、スコアを高め、勝利へ導くのです。

グリーン面から受ける影響を極力避ける薄く当てる方法を選ぶか、それとも自分が日頃から練習している厚く当てる打ち方のほうがより信頼できるか。

いずれにしても、やってみなければ分からないのが結果ではあります。

どんな状況でもなるべく打ち出しから順回転がかかるようにヒットする人もいれば、ショートパットや下りのラインのときだけリーディングエッジでトップ気味に打つやり方を貫いているプロもいます。

しかしすべては、本人の信念に基づいたスタイルを貫くことが大事で、どちらが正しいとは言えないとわたしは思います。

ただ、グリーン上のプレーではなくアプローチに関して言うならば、どれか一つの方法にこだわるのは正解とは言えません。

グリーン周りでは、ライの状態やカップまでの傾斜、距離などによって、さまざまな打ち方と球筋で対処できるよう練習して準備するのがゴルファーの仕事です。

打ち方が違えば、ボールがフェースに当たる場所もさまざまです。

そのため、PWやAW、SWといったウェッジのフェース表面に、一つの丸いショットマーク(打痕)が付くことはありません。

ウェッジではショットマークはトウに向かってとんがった山形になる、というのが正解ということ覚えておくと、これからのアプローチの技術の向上につながっていくと思いますよ!

「ウェッジの打痕はこんな感じの山形になるのが理想ですね」(Illustration by AYAKO OKAMOTO)

週刊ゴルフダイジェスト2026年6月23日号より