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【寺西明の急がば回るな!】Vol.2「練習で同じ球を続けて打たないこと」

30歳からゴルフを始め、シニアツアーの賞金王にもなった寺西明が、自身の失敗をもとに、スクラッチプレーヤーを目指す全てのゴルファーへ「最短で72を出す」ためのメソッドを伝えていく。今回は自身が長く続ける練習法について語る。

TEXT/Kiyoshi Ogiku PHOTO/Yasuo Masuda

前回、1ラウンドを72で回るためには、アプローチとパターが大事だという話をしました。 そこで今回は、ボクが普段からやっている練習法についてお話ししたいと思います。

まずアプローチですが、ボクは30Y、50Y、70Yの距離を徹底的に練習しています。

ボクがホームにしているザ・リンクスゴルフクラブ(明石市)には、30Y、50Y、70Y地点にグリーンがあるのですが、これを狙って打ち、その距離感を自分の中に叩き込むのです。


この練習をするときには、単にキャリーで狙うだけではなく、低い球、高い球、フックスピン、スライススピンでも狙うようにします。

コースに出れば、風、ライ、ピンポジション、障害物などによって、さまざまな球筋が要求されます。 そのとき自信を持って対応できるように、普段から準備をしておくのです。

これと並行して10Y、20Y、30Yも同じように練習します(3つの距離を1セットにするのは、明らかに違う大きさで打つことが感じられるため)。

こちらも、それぞれをキャリーで狙うだけでなく、低い球や高い球、ロブショットなどを打ち、左右のスピンを打ち分けることが大切です。

ロブショットなどは、本番で使う場面はほとんどありませんが、それを練習することで球をコントロールする感覚が磨かれるのです。



注意してもらいたいのは、30Y、50Y、70Yの練習も、10Y、20Y、30Yの練習も、同じ球を2球続けて打たないことです。

70Yを狙ってミスをしても、続けて70Yを狙うのではなく、次は30Y、その次は50Yというように、毎回目標を変える。

もしくは、同じ70Yを狙うにしても、低い球で手前から転がし上げたり、カットめに打ったりするのです。 実戦で打てるのは常に1球だけ。 決してやり直すことはできません。

ですから、普段から1球で目標を狙って結果を出す訓練をしておく必要があります。 同じ目標を狙って同じ球をたくさん打てば、そこに行くのは当たり前。

でも、そんな練習は何の役にも立たないので注意してください。いずれにしても、この練習をしておけば、実戦で出合うほとんどの状況に対応できるようになるので、ぜひみなさんにも取り入れてもらいたいと思います。

毎日休まず続けることが
72への近道

次にパッティングですが、ボクがルーティンにしているのは、パッティングレールを使って、真っすぐの2mを打つ練習です。

パッティングレールは、細いレール形の練習器具です。ボールを芯でとらえ、スクエアにインパクトして転がりのよい球を打てれば、球はレールの上を転がってくれますが、芯を外したり、フェースの向きが悪かったりすると、球は途中でレールから外れて落ちてしまいます。

これを100%真っすぐ転がせるようになるまで練習し、ラウンド中も頭の中でパッティングレールをイメージしながらプレーするのです。

もちろん、コースに出れば傾斜も風もあるので、2mが100%入ることはありません。 しかし、練習で2mの真っすぐを100%入れられるようになれば、2m以内のカップイン率は確実にアップするし、ショートパットの精度は格段に上がります。

すると、アプローチも半径2m以内に寄ればいいと考えられるので気持ちが楽になるし、グリーンを外してもパーが取れるという自信もついてくるはずです。

その結果、スコアが72に近づいていくのです。大事なのは、パットの練習も、アプローチの練習も、少しずつでいいから毎日続けることです。

パットは家の中でもできるのでもちろんですが、アプローチの練習もできるだけ毎日やる。練習場に行けない日は、家の中で短い距離を打つだけでもいいし、状況を具体的にイメージしながら素振りをすることだけでも構いません。

それでも、毎日休まず続ける。 それができる人とできない人では、1年後、5年後に大きな差になって表れるのです。

解説/寺西明

30歳から本格的にゴルフを始め2015年のプロテストで一発合格。20年には日本シニアオープンを制し、シニアツアーの賞金王となった異色の経歴を持つプロ。自ら起業した製造業の社長を務める

月刊ゴルフダイジェスト2026年7月号より