森守洋「レッスンは受けるな」Vol.3「フェース面の動かし方はプロでも千差万別、でもクラブを振る動作は共通」
森守洋「レッスンは受けるな」
堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。
PHOTO/ARAKISHIN、Seiichiro Matsuoka
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- 堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。 PHOTO/ARAKISHIN、Seiichiro Matsuoka >>前回のお話はこちら File. 2陳清波のダウンブローについて(前編) アメリカから帰って来たボクは、陳(清波)先……
Vol.3
陳清波のダウンブローについて(後編)
クラブという棒を振る動作は
全員共通
陳(清波)先生はとにかくインパクト付近の動きを強調して話していましたが「インパクトゾーンでロフトを立てながら当てる」という表現を特に使っていました。陳先生の場合、スクエアに握っていたからその表現が必要だったわけで、あくまでもスウィングのひとつのパターンに過ぎないのです。まずはそこを頭に入れておいてください。
スウィングプレーンはいくつもの種類はありませんが、インパクト付近でのフェース面の動かし方は千差万別で個性があります。ただ、陳先生のように振りたいならグリップを同じにするのは間違いではありません。
具体的に説明すると、スクエアグリップはクラブの重心が手元より右側にあってヘッドが遅れてくる握り方なので、インパクトに向かうにつれてヘッドを戻す動きが必要になります。だからインパクト以降の形を見ると、そのヘッドを戻したときの反動により急激に手を返しているように見える。これは陳先生の動きそのものです。それに対して今年のソニーオープンを制したクリス・ゴッタラップのような欧米の飛ばし屋らの握り方はストロンググリップが多い。これはクラブの重心が手元の真下近くにあります。だからスウィング中にヘッドを返し戻す動きは必要なく、むしろ体を開く逃す動きを入れなければ引っかかってミスしてしまいます。それくらいインパクト付近のフェース面の戻し方は、グリップによって違ってきます。
陳先生は「ヘッドをもっと返せ! 返せ!」と言われていましたが、もしストロングに握っている選手がやれば完全にスウィングは壊れます。陳清波がこうだとかタイガー・ウッズはこうなっているとか、インパクト付近の手の動きを説明してその現象があたかも最新のように伝えることで勘違いが生まれるわけです。だから見た目はスウィングの良し悪しに関係がない。
大事なことは、陳先生やタイガー、ゴッタラップらもクラブを振る動作に関しては全く同じということです。クラブという棒を振る動作は全員共通なんです。棒を振る動きと、フェース面をボールに合わせる動きは別々に考えることがとても大事なことで、最優先すべきことは“棒振り”です。
極端に言えばフェース面なんかどうでもいい。でも練習して上手くなりたいと思うようになると、ミスせず当てたい意思が働くようになりフェース面をボールに合わせようとします。球数をこなせばある程度は打てるようになりスコアも一時的に良くはなるかもしれません。でもフェース面をボールに合わせようとする動きはスウィングを退化させているのです。この事実に気が付いていない人がほとんどで、退化する具体的な動きについては後日お話しします。
あるとき、アマチュアのお客さんに何も考えず子どもがチャンバラするようにクラブを振りまくってもらい、そのあとフェースを閉じて同じように振って打ってもらいました。すると当然ボールは左へ飛びます。逆にフェースを開いて振るとボールが右へ飛びました。
これ、何が言いたいかというと『棒振りができている=オンプレーンで振れている』状態になっているのです。そこでフェース面を変えて振るとボールの打ち出し方向が変わる、ただそれだけのこと。これを理解できるとほとんどの人が驚きと同時に棒振りの大事さを理解してくれます。
大事なことはフェース面の動きではなくクラブの動き、棒を振るということです。童心に返ってチャンバラのようにクラブを振ることがゴルフの基本だと陳先生からは学ぶことができたのでした。

フェースを動かしてボールに当てようとすることを考えていたら、ボールコントロールはできない

解説/森守洋
もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る
週刊ゴルフダイジェスト2026年2月17日号より


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