Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【イザワの法則】Vol.64 バンカーは「カットに振って上からドン」ではありません

【イザワの法則】Vol.64 バンカーは「カットに振って上からドン」ではありません

バンカーではスタンスを開いて上からドンッと打ち込むと教わった人も多いだろう。しかし現代のプロは、スタンスもフェース向きも「スクエア」が基本だと伊澤プロは言う――。

TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM)

>>前回のお話はこちら

スタンスもフェース向きも
“スクエア”が現代のスタンダード

古いレッスンでは、バンカーショットはフェースもスタンスもオープンにして、カット軌道で上から「ドンッ」というのが定番でしたが、現代のプロツアー、とくにPGAツアーでそんなふうにして打っている人はまずいません。もちろん、極端にアゴが高くてピンが近いというような特殊な状況であれば別ですが、そうではない通常のガードバンカーであれば、スタンスはほぼスクエア、フェースも使っているウェッジのロフトにもよりますが、スクエアというケースが多いです。

私自身はフェード打ちで、そもそもバンカーショットは苦にならないタイプなのですが、最近はウェッジの機能がよくなっていることもあり、ほとんどのバンカーショットでスタンスはスクエアにしています。フェースはピンに対しては少しだけオープンにしていますが、インパクトでトウを回しながら打つので、結局はスクエアと言ってもいいかもしれません。


トウを回して打つのは、そのほうが飛距離が出るからで、逆に飛距離を出したくないときは最初にオープンにする度合いを少なくして、その分トウを回さずに打てばいいということになります。フェースの開き具合と、トウを回す度合い、それにボール位置の調整で微妙な距離感をコントロールするというわけです。

スピンをかけるなら
スタンス幅をやや広めにする

アマチュアの方は、とにかくスピンがかかるとナイスショットだと思いがちですが、実際はスピン
が必要な場面とそうでない場面で、球質を変える必要があります。私の場合、スピンが必要な場面では、スタンスを少しだけ広くします。それによって、入射角が通常よりもシャローになって砂が薄く取りやすくなるのと同時に、ヘッドスピードがやや上がるのでスピンがかかるわけです。高さも必要な場面ではさらにボール位置を少し左足寄りにします。

逆に足を使いたい場合は、スタンス幅は通常通りで、フェースは開かずに、気持ち上からヘッドを入れていきます。ただ、それよりも簡単な方法は番手を上げることですので、アマチュアの方でしたらそちらをおすすめします。

バッグに入っているウェッジのロフトセッティングも重要で、私は46度から4度刻みで4本入れているので、最大ロフトが58度になっています。58度だと、フェースはやや開いて使うことが多くなります。60度を入れているプロも多いですが、そうするととくにバンカーではあまり開かずに使うことが多いように感じます。なぜかと言うと、60度のウェッジでさらにフェースを開いてしまうと、かなりのヘッドスピードを出さないと飛ばせないので、ミスと紙一重になるリスクを避けるためだと思います。

フェースを開かずに使う人であれば、バウンスはある程度あったほうが絶対に楽です。アマチュアなら10〜12度は必要だと思います。ただ、ソール幅も関係するので、バンカーに強い幅広ソールタイプなら8度くらいのバウンスでもいいかもしれません。

56度のウェッジであっても、スクエアスタンス、スクエアフェースでたいていのアゴはクリアできる。スピンを増やしたいときは、フェースを開くより先にスタンス幅を広くする。入射角がシャローになり、ヘッド速度も上がるのでスピンがかかる

伊澤利光

1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位の4位入賞(当時)。現在はシニアツアーを中心に活躍中

月刊ゴルフダイジェスト2026年3月号より