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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.891「真似るは学ぶ。上手な選手たちを穴が開くほど観察してみたらどうかしら?」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

>>前回のお話はこちら


私はマキロイが大好きで、フォームもリズムも乗り移ったくらいに真似しているんですが、周りからは全然似てないと言われます。ちなみに真似していい部分とそうでない部分というのはあるのでしょうか。(匿名希望・42歳・平均スコア83)


最近感じるのは、選手たちのスウィングがシンプルでスムーズなものになっているということです。わたしが若い頃は、個性的でクセの強いスウィングをするプレーヤーがたくさんいました。

今の若い世代の選手たちが合理的でシンプルなスウィングをするようになった背景には、クラブの進化やジュニア育成強化、そしてメディアやSNSを通じてゴルフ技術向上のための情報がたくさん入手できるようになったことがあると思います。

検索すれば手軽にさまざまなスウィング論を調べることができるし、著名なプレーヤーの映像も手に入る。

言葉では伝わりにくいスウィングのリズムやテンポもYouTubeで見ることもできる。

そういう環境がゴルファー全体のレベルアップ効果を高めてきたのは間違いありません。


そのため世界のトッププロの真似をする材料は、いまは簡単に入手できる世の中になったのです。

真似るは学ぶ。真似をすることは知識や技術を得る学習の第一歩と言って差し支えありません。

笹生優花選手がマキロイ選手のスウィングを目指して練習を重ね、あのフォームを手に入れたのは有名な話ですよね。

そこで大事なことは、真似をする選手のように上手く打ちたいからであって、その選手になりたいからではないことです。

ゴルフを始めて間もない頃、ゴルフ場の仕事をしながら、先輩の研修生たちやキャディとしてついたゴルフの上手いお客さんなど、自分の周りの先生たちを対象にして、穴の開くほど観察していた記憶があります。この人はどうしてこんなに上手いんだろう。

どこが真似するべきところなんだろう。スウィング全体を眺めるのではなく、わたしは体のあちこち細かい部分に注目していました。

テークバックでの股関節やひざの動き、ダウンで右ひじがどうなっているのか、フェースと手の甲の向きなどなど、わたしのスウィング作りは、わたしの目の前でプレーをしていたさまざまなゴルフ上級者たちのいいとこ取りでした。

ですから、誰かになり切ろうとしたり、動作をコピーしようとはしていませんでした。上手い人の優れた動きを真似て自分のスウィングを作りたいと、試行錯誤を繰り返していただけでした。

上手い人には必ず上手くできる優れた動きがあるはずで、そのメカニズムを自分のスウィングの中に取り込む。それが自分のスウィング作りであり、理想のスウィングの追求だと思います。

アメリカでプレーし始めた80年代前半、わたしはドライビングレンジでトッププレーヤーたちの練習をずっと眺めていました。

パティ・シーハンのドライバーショットにホリス・ステイシーのバンカーショットなどほかに何人もの選手がいましたが、その一つ一つがわたしのゴルフ、わたしのスウィングを形作る貴重な材料になってくれました。

以前にも話したことがありますが、当時全盛だったセベ・バレステロス選手が来日してテレビマッチでご一緒する機会があったときには、練習場で打ち込むバレステロス選手の動きを後ろ側から、それこそ初めから終わりまでずっと観察したことを覚えています。

それほど彼のスウィングはリズムが良く、柔らかくて力強く、理想的な動きに見えました。動きのどこを取り込むかは、自身のレベルやスウィング観にもよりますが、まずは形態模写のつもりですべて真似てみるのもいいかもしれません。

その動きをなぞってクラブを振っているうちに、なんとなくスウィングのメカニズムがわかってくるかもしれません。

そうなれば、真似を超えたあなたのスウィング作りが本格的に始まったということになると思います。

「まずは行動。実行することが大切なことですよ」(PHOTO by Ayako Okamoto)

週刊ゴルフダイジェスト2026年1月6・13日合併号より