【キミこそ王子だ】Vol.362 歴5年で関東制覇! 柔も剛も備えた中3女子
雑巾王子のキミこそ王子だ!!
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は埼玉県出身、埼玉栄中学校3年の近重怜奈さん。今年『関東ジュニアゴルフ選手権』で優勝した逸材だ。運動力学を参考にした効率のよいスウィングに武市が注目!

今回の王女候補
近重怜奈さん
ちかしげ・れな ●主な戦歴/2025 関東ジュニアゴルフ選手権12~14歳の部優勝 ●ベストスコア/68(静岡C浜岡C) ●練習/毎日2時間150~200球 ●トレーニング/近日開始予定
10歳からゴルフを始め、約5年で『関東ジュニアゴルフ選手権』を制した近重怜奈さん。
誰しもが「どうやったらそんな短期間で上手になるの?」と思うはず。そこで武市が尋ねてみる。
「ゴルフは10歳からでジュニア選手にしては遅いスタートです。でも、幼稚園から小3まで水泳をやっていました。将来オリンピックに出たいと思うほど真剣にやっていたので、体力はあるほうだと思います。ゴルフスクールではグリップやアドレスなど基礎を中心に教わっています。あと、野球経験者の父親から体の使い方を教わっていて、それがとても参考になっています」と答えてくれた怜奈さん。
「スウィングの細かい動きではなく、運動力学のようなこと?」
「こう動くと力が出しやすいとか、スムーズに動けるとか運動のメカニズム? のようなことを勉強して教えてくれます」
「スウィングを見た瞬間、すごく効率のいい動きだな~って思ったんだけど、そういうことだったのか」と納得の武市。
「怜奈ちゃんの球筋は高弾道のドロー。注目すべき点は右足で地面を蹴るタイミング。右足の蹴りって、一般的にはダウンスウィングの途中に行われるイメージでしょ。でも、怜奈ちゃんは違うんだよね。もっと早くバックスウィングの途中で右足を蹴り、ダウンスウィングを始動させている。だから、上半身と下半身の捻転差がとっても大きい。ただ、捻転差が大きいと振り遅れる可能性もあるんだけど、怜奈ちゃんはダウンスウィングで右手首の角度は保ちつつ右ひじをリリースするタイミングが早いから振り遅れない。ヘッドの入射角を浅くして打ち出しを高くできる。筋肉も柔軟性があるし瞬発力もあるから、体もシャフトもムチのように動き、スウィングに躍動感があるのもスバらしい! 手首をこねたりする動きもないから、インパクトの再現性も高く常に安定した高弾道ドローで攻められるっていうのが武器だよね。まだ中3でしょ? これからがメチャクチャ楽しみな選手だね」と目を細める武市。
「ありがとうございます! まだ本格的なトレーニングはしていないのですが、この冬から4日間の試合でも戦える体作りをしたいと思っています」
「てことは、すでにプロでの戦いを想定してるってことでしょ? 本当に今のジュニア選手はストイック!」
将来はどんなプロになりたいか尋ねると……。
「見ていて楽しいプロになりたいです! 」と怜奈さん。
「河本結プロや菅沼菜々プロのように、笑顔を絶やさない選手になりたいです。あ、もちろん岩井明愛・千怜プロも憧れています」
「埼玉栄の先輩だもんね」
「あとは、昨年と今年と『エビアン選手権ジュニアカップ』に出場したので、将来は『エビアン選手権』にプロとして出場して古江彩佳プロのように優勝したいです! 」と笑顔で語ってくれた。
「志も高くイメージも明確でスバらしい! きっと実現するはず」と太鼓判を押す武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2025年12月30日号より


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