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【祝! レッスン・オブ・ザ・イヤー】「いい形は“作る”ものではなく勝手に“なる”もの」横田英治が語るスウィングの本質

2025年のレッスン・オブ・ザ・イヤーに輝いたのは、プロ・アマ問わず数多くのゴルファーを上達に導いてきた横田英治プロ。長年のレッスン活動を通じて行きついたゴルフスウィングの本質について語ってもらった。

PHOTO/Hiroshi Yatabe、Hiroyuki Okazawa THANKS/クラブハウス

横田英治 よこた・えいじ。プロ、アマ問わず、わかりやすいレッスンが人気。女子プロの岸部桃子を指導中。自らが主宰する総合ゴルフサロン「クラブハウス」では吉野茜、村田理沙、大西葵、若林舞衣子などが腕を磨く
岸部華子 きしべ・はなこ。JLPGAティーチングプロA級。基本に徹したレッスンと躍動感のあるスウィング作りを得意とする。姉はツアープロの岸部桃子

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タメも、ハンドファーストも
するものではなく勝手になるもの

2025年のレッスン・オブ・ザ・イヤーに輝いた横田英治プロに、改めてスウィングにおける重要なポイントについて聞いてみた。

「スウィングにおけるキーワードはたくさんあります。掌屈、背屈、コック、タメ、シャローイング、ハンドファースト、リリースなどなど。これらの言葉はすべて『現象』でしかありません。クラブヘッドの重さと体の動きによって生まれる結果にすぎないんです。ですから、見た目の現象を追いかけても意味がないわけです。そこに上手くなる秘訣はないんですよ」

現象とは目に見える形や姿と表現できるが、形ばかりに引っ張られるからゴルフが上手くならないというわけだ。だが、ハンドファーストやタメ、リリースなどは、技術として確立されたものではないのか?

「確かに技術ではありますが、大切なのは意識してやることではないということです。たとえば、ハンドファーストを意識すると手元だけが先行します。そうなれば芯に当たりませんし、フェースが開くだけです。ボクのスウィングを見れば、みんなハンドファーストなインパクトだと思うでしょう。ですが、ボク自身はそんな意識はないですし、何もしていないんです。ここにスウィングの本質を見抜くヒントがあります」

テークバックのコック

「テークバックはクラブを上げる動きですが、ヘッドを上げるとグリップエンドは下がります。ですので、意識としてはグリップエンドを下げる動きでもあるんです」(横田・以下同)

トップの掌屈

「トップの形はレッスンの定番パート。ただ、この形に意味はありません。ヘッドが後方に動く慣性によって左手の掌屈や右手の背屈が生まれるだけです。マネすることも意識することも必要ありません」

ダウンのタメ

「シャウフェレのような深いタメは自然に生まれるものです。連続素振りをすればわかりますが、体は必ず先行するはずです。そうなれば自然にタメが作られますし、勝手にハンドファーストになります」

インパクトのリリース

「手首を開放するリリースも結果でしかありません。ロブショットのような特別な打ち方以外は、リリースも意識しません。重力や遠心力によって勝手にリリースされるだけです」

クラブと体の
自然な動きを理解しよう

現象に惑わされてはダメという横田プロ。では、スウィングの本質とは何か?

「スウィングで大切なことは2つです。1つはクラブヘッドの芯でボールを打つこと。もう1つがクラブをバランスよく振ることです。スウィングの本質を考えるならクラブを振ることを考えるのが先決でしょう。では、どう振るかですが、ターゲット方向にボールを運ぶのがゴルフですからクラブは“右回し”に振らないとボールを打てません。バランスよく振ること、そして右回しで振ること。この2つはどちらも軸に支配されています。ここをまずは理解してください。スウィングは軸ありきです。ここからスタートしないとスウィングの本質もゴルファーがすべきことも見えてこないんです」
 

Point 1
クラブと体は反対方向に動く

Point 2
クラブは右回しに振る

クラブを右手1本で持ってボールをターゲット方向に打とうと思ったら必ず右回し(自分から見て時計回り)でクラブを動かすはず。これはアウトに上げてインから下ろす動き。アマチュアはインに上げてアウトから下ろす左回しの動きをしているケースが多い

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週刊ゴルフダイジェスト2025年12月23日号より