“池ポチャに われ泣きぬれて 鴨とたわむる”ゴルフ川柳コンクール傑作選<後編>
ゴルフ川柳
週刊ゴルフダイジェストの恒例企画「ゴルフ川柳コンクール」第9回の応募がまもなくスタート。前編に続き、これまでの名作(迷作?)を振り返る「傑作選」をお届け!

>>前編はこちら
- 恒例となった「ゴルフ川柳コンクール」がまもなく募集開始(12月9日~)! そこで、これまでの名作・迷作を振り返る「傑作選」を今年もお届け。これを読んで、ゴルフ川柳コンクールの傾向と対策を練ってください! >>後編はこちら A子 またまた、この時期がやってまいりました。師走よー。年の瀬よー。R太 ゴルフ川柳コンクールですね。A……
A子 そしてもうひとつ。
悪いとき どう打つのかが わからない
いいときは どう打ったかが わからない
(岩手県 新沼伸一さん)
R太 おおおっ、これも伝説の名作。
A子 連作というスタイルをゴルフ川柳コンクールに、このハイクオリティで持ってきた。新沼さん、恐ろしい子……。
R太 恐ろしい子?
A子 「ガラスの仮面」の(姫川)亜弓さんの名台詞じゃないの。無知ねえ。
R太 昭和ハラスメントだー。
A子 そんなZ世代にはこの川柳よ!
柏原 明日架を芳恵と 言う常務
(神奈川県・そうすけ)
A子 「かしわばら」といえば、昭和世代は「よしえ」なのよ。
R太 そうなんですか。
A子 銀のスプーンでR太の心をぐるぐる回しちゃおっかな。
R太 え、これはセクハラ? 昭和ハラ?
A子 そんなにハラハラしなさんな。
池ポチャに われ泣きぬれて 鴨とたわむる
(北海道・くりりん)
A子 Z世代でもこれはピンとくるんじゃない?
R太 あれ、なんか教科書で読んだことあるかも。
A子 石川啄木の「東海の 小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる」ってあるでしょ。ゴルフ川柳だから、蟹を鴨に変えているのね。本歌取りの一種と言えるんじゃない。
R太 勉強になるー。
A子 ゴルフ川柳の作り手の皆さんの教養とか知性とか博学ぶりには毎度驚かされるわ。
わかったと 思ったらまた、OB
(三重県・koma)
A子 これ、私大好きなのよ。自由律俳句みたいな味わいがあると思わない? 種田山頭火の「分け入っても分け入っても青い山」みたいな。雰囲気あるー。
R太 ほうほう。
A子 かと思えば、こんな川柳。
ロッカーで 素っ裸になる 珍百景
(神奈川県・あっくんパパ)
R太 いるいる。ロッカーのベンチに素っ裸で腰掛けている人。
A子 「珍百景」は「チン百景」にしても……良くないわよ。下ネタになっちゃうじゃないの!
R太 自分で言っておきながら……。
A子 格調があってうなっちゃうような川柳もいいけど「わはははは」って笑えたり、ばかばかしいなあと思えちゃったりするのもいいものよね。みんなちがってみんないい(笑)。
爺ゴルフ 回らぬ体 老いるショック
(茨城県・錆男)
A子 「老いるショック」のところで、師匠が大爆笑してたわ。作者の錆男さんは、当時80歳。まさしくオイルショック世代なのよ。ペンネームの「サビオ」も気が利いてるわあ。ほかにも師匠が絶賛していた川柳としては……。
設計と 施工の違いで このスコア
(北海道・岡部隆義さん)
A子 これは「設計」と「施工」という、ゴルフとは一見関係のないワードで構成されつつ、最後の「スコア」でゴルフ感を出しているところが秀逸なの。師匠は、作者の岡部さんのことを建築家か大家さんではないかと予想していたけど、実際は違ったわ(笑)。
R太 でも、川柳から作者の人柄が浮かび上がってくるものですよね。
A子 私もいつも描かれたシーンや作者の人柄を想像しながら、味わっているわよ。ロッカーで素っ裸になる珍百景の様子など……。
R太 そっちの方向の想像を広げるのはやめてください。
A子 ゴルフ川柳コンクールの募集は12月9日(火)から開始予定です。ご応募はウェブからでもハガキでもOK。伝書鳩や吹き矢は受け取れないのでNGです。よろしくお願いします。
週刊ゴルフダイジェスト2025年12月16日号より


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