【ゴルフの急所】Vol.58 入射角を緩やかにするために必ず役立つ3つの練習法
寺西明「ゴルフの急所」
30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。
PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/美奈木ゴルフ倶楽部

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- 30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。 PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/美奈木ゴルフ倶楽部 >>前回のお話はこちら ……
よく、プロが「入射角度はシャロー(緩やか)なほうがいい」などと言いますが、アマチュアもシャローなスウィングを目指すべきなのでしょうか? 目指すべき場合、どうしたら入射角度をシャローにできるのか、教えてください。(横山徹さん・40歳・平均スコア100)
ボールの手前から
ヘッドを滑らせるイメージがいい
目指すべきだと思います。なぜなら、現代のクラブは、シャローに(緩やかな入射角度で)打ったとき、その性能が発揮できる(芯に当たる=曲がらない)ように設計されているからです。
確かに、クラブが外から下りて来る人、クラブのリリースが早い人、右手で球を叩きにいく人が入射角度を緩やかにするのは、やさしいことではないかもしれません。それでも、長い目で見れば、シャローなスウィングを目指したほうが絶対に成長は早いと、ボクは思います。
ただ、シャローに打つのは難しい。では、どうしたらシャローなスウィングに近づけるのか?
まずやってもらいたいのは、ボールの手前からヘッドを滑らせて打つことです。これは、決してボールの手前をダフらせる、という意味ではありません。ヘッドが地面を削らないように、ボールの前後にある芝の葉先だけをササッと払うように打つのです。
基本的に、ターフを深く取ろうとするほど、入射角度は鋭角になり、ヘッドは上から入りやすくなります。逆に、ターフを取らず、葉先だけを払うようにスウィングできると、入射角度は自然に緩やかになるのです。
ですから、素振りをするときも球を打つときも、芝の葉先だけを払うように心がけます。ボールの手前から滑らせるというとダフりそうな気がするかもしれませんが、葉先を払っている限り、ヘッドが地面に刺さることはないので安心してください。
練習場では、5Wで高くティーアップした球を打つ、クロスハンドで球を打つなどのドリルが効果的。ですが、一番やってもらいたいのは、シャフトがふにゃふにゃの軟らかい練習用クラブで球を打つ練習です。
ポイントは、ダウンスウィングでしなったシャフトを、しならせたままインパクトすることにあります。ダウンスウィングでシャフトのしなりを感じたら、それがしなり戻らないようにして、ヘッドを遅らせて、遅らせて、遅らせたまま球を打つ。それができると、自然に入射角度は緩やかになり、シャローなスウィングが身につくのです。
この軟らかいクラブを使った練習は、ボクが教えているアマチュアの方々にもやってもらっているもので、その効果は実証済み。ですので、みなさんにもぜひ試してもらいたいと思います!

Drill 1
クロスハンドグリップで打つ

基本的に、右手で叩くほど入射角は鋭角になり、左手でリードするほど入射角は緩やかになる。クロスハンドグリップは左サイドでリードしないと打てない(右手で叩きにいくと当たらない)ので、クロスハンドで打てるようになれば、入射角度は自然に緩やかになるのだ
Drill 2
5Wでライナーを打つ

ティーをドライバー並みに高くして、5Wで低いライナーを打つ。このとき、低い球が打てない人、テンプラになる人は、入射角度が鋭角な(ヘッドが上から入っている)証拠。安定して低い球を打とうとすることで、入射角度の緩やかなスウィングを目指す
Drill 3
軟らかいシャフトのクラブで球を打つ

基本的にリリースが早いほどクラブが外から降り入射角度は鋭角になり、リリースが遅いほどクラブがインサイドから下り入射角度は緩やかになる。軟らかいシャフトをしならせたまま打つことで、リリースを遅らせ緩やかな入射角度で打つ感覚が身につく
今のクラブはシャローのほうが芯に当たる!
昔に比べると、現代のクラブはかなり重心が低くなっている。基本的に、入射角度が鋭角なほど打点は高く、入射角度が緩やかなほど打点は低くなるため、重心の低い現代のクラブを使って芯で打つには、入射角度を緩やかにする必要があるのだ

月刊ゴルフダイジェスト2026年1月号より


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