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【藤田寛之の米シニア挑戦記】Vol.36「池、芝質、コレクションエリア…アメリカのコースは本当に戦略性が高かったです」

2025年から米シニア(PGAツアー チャンピオンズ)に挑戦している藤田寛之が、現地での生活や試合の様子をレポート!

PHOTO/BKコーポレーション

>>前回のお話はこちら

帰国して数週間が経ち、だいぶ落ち着きました。もう少しのんびりして12月から撮影やメディアの仕事をこなしていく予定です。今週からはPGAツアーチャンピオンズで感じたことをいろいろお伝えしていこうと思います。

まずはコースの違いについて。アメリカはどのコースも戦略性が高いです。たとえば池やバンカー、コレクションエリア(グリーン周りの芝を刈り込んだ場所)が、効果的に配置されています。ひと言で言えば「ここに打つといいですよ。こっちに打ってはダメですよ」みたいなコースです。一打一打に高い精度が求められます。

日本にも戦略性の高いコースはありますが、アメリカのコースは行ってはいけないエリアに行くと完全にアウトです。寄せようがない、こんなアプローチしたことない、そんな状況に陥ります。そういう意味では、許されるミスの幅は確実に狭いといえます。


そのほかにアメリカのコースの特徴を挙げるなら池です。ほとんどの試合で池がありました。しかも池がグリーンのすぐ脇にあります。日本の場合、池とグリーンの間にスペースがありますが、アメリカはグリーンの際が池。当然、プレッシャーがかかります。アメリカは日本のようなアップダウンが少なく、ほぼフラットですからブラインドホールは少ないのですが、その代わり池やバンカーが効いているわけです。

また芝の種類の多さにも驚かされました。そもそもアメリカは大きな国ですから北と南で芝質は変わります。ですが、その変化がボクの想像を超えていました。基本的にバミューダ(暖地洋芝)とベント(寒地洋芝)ですが、ペタペタなライのためヘッドの入れ方が難しいです。さらにグリーンの芝はもっと複雑です。芝目というか、独特のクセがありました。日本の管理されたキレイなコースで育ったボクはある意味、温室育ちのようなものです。さまざまな芝に直面するたびに戸惑ってしまう、そんな状態でした。本当に難易度が高かったですが、ショットがよければ攻略はできるんです。そのあんばいが絶妙なコースばかりでしたね。

太平洋C御殿場Cで試合観戦

三井住友VISA太平洋マスターズを観戦しました。後輩の黒木紀至の応援です。チャンピオンズツアーの数倍はギャラリーがいた感じです。盛り上がっていましたね

藤田寛之

1969年生まれ、福岡県出身。葛城GC所属。レギュラーツアーで23年間シード選手として活躍。ツアー通算18勝を挙げ、2012年に賞金王を獲得。2023年日本シニアオープン制覇。今季はPGAツアーチャンピオンズにシード選手としてフル参戦中

週刊ゴルフダイジェスト2025年12月9日号より