【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.251「年齢がいってからの筋トレには注意が必要です」
奥田靖己「ゴルフはつづくよどこまでも」
高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Tadashi Anezaki
>>前回のお話はこちら
- 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 >>前回のお話はこちら 7月の試合を最後にツアーを欠場しとる小祝さくらさんが、痛みの原因だった左手首の手術に成功したと自身のインスタで報告とったそうです。よかったですよね。手首っていうんは、日常の生活でもゴルフでも、思……
この前、僕と同じ65歳でゴルフの腕前もそこそこいう人と回ったんですけど、最近トレーニングジムに通うようになって距離が15ヤード伸びた言うんです。そしたら横にいた仲間の人から、いや、この人はインストラクターのレオタード姿見に行ってるんだよって暴露され、皆で大笑いしました。
モチベーションをどこに置くかは人それぞれですが、年齢がいってからの筋トレは気ぃつけなあかんですね。
2年前の暮れに、ごっついマシンが置いてあるトレーニングジムの会員になって、年明けの1月3日に行って30分くらいかけてマシンの使い方を一通り教えてもらったんです。そしたらもう次の日は筋肉痛ですわ。
それで、体はバリバリ硬いけどボールは打てるかいなと思って球を打ちにいったらギックリ腰になってね、その後1カ月間はフリーズです。僕なんかもともと椎間板が擦り減ってひどい腰痛持ちやから、余計に気をつけなあきません。それに、筋肉量は25~30歳をピークに、その後は10年ごとに3~8%減少すると言われていますから、年いってからの無理な筋トレは禁物です。
これは僕の考えやけど、年齢いってある程度に体が維持できていれば、すごい鍛えなくてもゴルフは技術力でまだスコアは伸びます。フェースの使い方とか、そういう基軸になるものがあればプラスアルファで伸びますよ。逆に、その部分がおろそかになっておると、ジムでいくら体を鍛えても、悪くはないけどゴルフの腕前は上がりません。
(ベルンハルト・)ランガーはトレーニングをガンガンやるけどゴルフの練習はしないと言います。彼は自分のゴルフが確立されていて、常に安定したショットでイケるから、距離はそれなりに落ちてても68歳でシニアツアーでシード選手でいけるわけです。
今年、歴代チャンピオンであるマスターズの一線から引くと発表したんも、コースが年々長くなり飛距離で太刀打ちできなくなったからやということです。
あのランガーがそうなんですから、一般のシニアの方がジムに行って多少飛距離が伸びても、なかなか平均スコアを上げるんは難しい。つまり、年齢がいくほどに技術を磨けということです。

「あのランガーも、体は鍛えてるけど飛距離で太刀打ちできんから一線から引くと決めた。皆さんはどうですか?」

奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2025年11月25日号より


レッスン
ギア
プロ・トーナメント
コース・プレー
雑誌




















