「スライス解消」「“体の正面で打つ”を体感」プロも太鼓判! 自宅練習にオススメの練習器具9選
週刊ゴルフダイジェスト
練習場で球を打つのもいいが、スウィングの基礎を固めたり、スコアメイクの要であるパットを磨くのは、適切な練習器具さえあれば自宅でもできる。そこで今回は、ゴルフポケットで販売されている練習器具の中から人気のモデルをピックアップ。実際にプロが試して、どんな人に向いているのかを検証した!
PHOTO/Akira Kato、Tomoya Nomura、PIXTA


解説/大関翔
おおぜき・かける。2014年プロテスト合格。日本のツアーに挑戦しながら、アマチュアのレッスンも行う。今年チャイナツアーで初優勝。来シーズン、DPワールドツアーとの共催試合にも出場する
自分の課題にあった
練習器具を選ぼう
多くの練習器具が商品化されているが「どれを選ぶかで上達に違いが出てくる」と大関プロ。
「例えばスライサーの人がフック矯正のための練習器具を使っても、改善は見込めません。だから自分が何を練習したいのか、何を直したいかをよく考えて練習器具を選ぶ必要があります。
振るタイプの練習器具は当然ながら“振る”ためのもので、どんなタイプのゴルファーが使っても一定の効果はあります。ただ、もし何か悩みがあるのなら、それを改善できる機能がついたものを選ぶことで練習の効率が上がり、早く、より正確に欠点を改善することができます」
素振り練習器具
スライス、フック…球筋が安定しない人に
「SHO-BLADE(ショーブレード)」ショート/32インチ
価格/1万6500円

青木瀬令奈や安田祐香などを指導するプロコーチの大西翔太が考案。女子プロたちも練習に取り入れている。「ほかの素振り練習器具よりも重さがあって振りやすい。ゴルフクラブは野球のバットとは違ってクラブフェースがあるため、テニスのラケットのように平面を意識したい。フェースのローテーションが出てしまって、スライスやフックなど曲がることが多い人には、フェース管理をしながら振る感覚が身に付けられていい」(大関プロ、以下同)
「クラブと同じ丸いグリップを採用しているものもあります。それはそれで普段と同じように振れる利点がありますが、これは四角くなっていて握るだけで平面が意識できる。グリップに斜めの線が入っているので理想的な斜めの握りにできます」


球が上がりすぎて飛ばない人やスライサーに
「ナイスインパクト」
価格/1万7380円

横田英治プロが開発した「アンギュラーモーション」がさらに進化。「重りが移動してパチンと鳴り、どこでクラブが最大に加速したかを教えてくれます。このタイミングが合うことでクラブが適切な角度でボールにコンタクトでき、飛んで曲がらない。とくにアーリーリリースの人は、飛距離をロスしたりスライスの原因になることが多く、これを振ると右側で音が鳴る。それを適切なタイミングで鳴るようにすると効果的です」
「前モデルよりも重りが長く、重くなったことで、リリースができた時の衝撃が手に伝わって分かりやすい。スウィング矯正が主な目的の練習器具だと思いますが、純粋に重くなったことで、筋力アップできて結果的に飛距離アップにも効果がありそう」


スウィング矯正器具
“手が体の正面”を身に付けるのに最適
「辻村棒 body rotation Max」
価格/7700円

プロコーチの辻村明志が考案。チーム辻村の女子プロたちも練習で使用している。「よく『手は体の正面』と言われますが、それはその位置が力を均等にかけられて、力を一番伝えられるから。例えば重りを持ってバックスウィングをしたとき、手が体の中心にあれば軽く感じ、外れると重く感じます。これを付けていたら強制的に体の中心に手がある状態が保てる。ゴルフの根本的な動きなので、誰がやっても絶対効果があります」
「持ち手が下向きになっていますが、必ず親指を上に向けて握ってください。そうすることでクラブを振った時にトウダウンしなくなり、フェースの開閉が抑えられるようになります」


●素材/プラスチック ●T字幅/65cm ●T字~グリップ部/約42~55cm ●重量/約281g
クラブを装着して球を打つことも可能
「BODY SWING MASTER(ボディスウィングマスター)」

ツアー3勝の日下部光隆が考案。T字の縦棒部分を左わき内側にセットしてスウィングする。縦棒の先端にジョイント部分があり、パターからドライバーまで打ちながら動きを学ぶことが可能。「パターやウェッジなら自宅でも練習できます。パターの場合は縦棒が体の中心になるようにセットするといいでしょう。クラブなしで使えば上の“辻村棒”と同じような効果ですが、クラブが持てるのでやれることが増えます」

「黒いジョイントの先端は角度がついていて、自分の右側に向けてクラブを装着するとハンドファーストになります。そのまま振ることでハンドファーストのインパクトがどういったものなのかが分かりやすい」

前傾キープが苦手な人にオススメ
「グラビティフィット 新モデル」
価格/1万9613円(2本セット)、1万3761円(単品)

「これも前出の2つと同じ、ボディスウィングを矯正してくれる練習器具ですが、自分の外側にテンションがかけられるのがポイントです。アーリーリリースに悩んでいるゴルファーには最高で、スウィングの途中で外側にテンションがかけられなくなると前傾が崩れて体が浮き上がってしまい、結果スライスになることが多い。『かめはめ波』のように外側にテンションをかけ続けることで前傾がキープできるのですが、その感覚が一番わかりやすい。僕の生徒さんにもやらせたいですね」

チューブは黄色と緑の2種類があり、緑のほうがテンションが強く負荷が高い。
アプローチの手打ち防止に
「Wedge Truck(ウェッジトラック)」
価格/1万9800円

「誰でも効果があるというわけではなく、アプローチでコックが強い人や上から刺してしまう人が苦手を克服するのには効果があると思います。また、バックスウィングで体が回らないで手で上げてしまい、フォローだけ体を使ってしまう人も多く、結果、チャックリしたりトップしたりする。本来の目的ではないかもしれませんが、体をターンさせていければ、水色のところをなぞっていけるようになる。手打ちになっている人が使うと入射角が鈍角になって、インパクトが安定するようになると思います」

パット練習器具
“真っすぐ動かす”とはどういうことかが一目瞭然
「Laser Putt(レーザーパット)」
価格/2万2000円

シャフトに取り付けて本体から2色の光を照射。付属のマットで緑色の光が白いラインに真っすぐになるように合わせ、マットに長さ表示があるので、クラブを任意の距離にテークバックして赤い光をボールに合わせることで、同じ振り幅で毎回打つことが可能。「パターの距離はテンポと振り幅で決まり、毎回同じテンポと振り幅で打つことで距離感を養える。長さを変えながらいくつか自分の距離をつかむことが重要」
「よく『真っすぐ引いて真っすぐ打つ』と言いますが、それはフェースを真っすぐ動かすという意味ではなく、シャフトを真っすぐ動かすということ。理由はパターにもライ角があるから。フェースを真っすぐ向けながら引こうとすると、実は真っすぐ向いていないことがこの器具を使うと分かります。


●セット内容/レーザーパット本体(赤と緑のレーザー)、アライメント&キャリブレーションガイド(1メートル)、収納バッグ
合わせやすい“スパット”の位置が見つかる
「Aデザインゴルフ パッティングゾーン」
価格/7920円


「溝があるパッティングレールはいくつかありますが、その組み立て版。丸い部分が替えられるのでスパットを意識しやすい。スパットの位置は人の好みなので、自分で変えられるのがいい。例えばゲート役の銀の球を一番奥に置いて、どの位置にスパットを置くと通りやすいかで自分に合った位置が見つけられる。プロの中にも近い遠いがあるし、中には2~3個作る人もいるのでいろいろ試すことができるのが面白い。ジョイントだから真っすぐに合わせにくいのが難点ですが、複数セット買って長くして使うのもアリだと思います」

●セット内容/レール:5個、スパット10個(黒5個、白5個 ※穴開き各1個)、ゲート(金属ボール)4個
中上級者向け。どう転がったかを視認できる
「The Roll Board(ロールボード)」
価格/1万4080円

6メートル打つのを想定してボールがどうやって転がっているかを可視化してくれる。「適正なロフトでインパクトできていれば、初めはボールがトントンと浮いて、そこから着地して転がり始めます。マイナスロフトで当たっていきなり転がり始めると芝の抵抗を強く受け、逆に飛び過ぎて着地が遅いと不安定な転がりをします。また真っすぐ打とうとして押し込んでしまうとバックスピンが入って真っすぐ転がりにくい。方向性と距離感を安定させるためには正しい転がり方が必要で、これは球がどう転がったか見えますがボールの転がりを理解していないとさっぱりわからないので、中上級者向けです」

● サイズ/75×10.5㎝ ●重量/200g
週刊ゴルフダイジェスト2025年11月18日号より


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