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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.250「ケガとの付き合い方」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

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  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Yasunari Okuda >>前回のお話はこちら 不調に陥ったときにメンタルの先生のところに行かんのかと聞かれますが、僕は逆に、そんなもんメンタルの先生に教えたるわくらいに思ってます。 と……

7月の試合を最後にツアーを欠場しとる小祝さくらさんが、痛みの原因だった左手首の手術に成功したと自身のインスタで報告とったそうです。よかったですよね。手首っていうんは、日常の生活でもゴルフでも、思い切り使うところやから厄介なんです。僕も腱鞘炎をやってますからわかります。

腰もひじも肩も、まあひざ以外はほぼケガを経験しとりますけど、とにかく体にメスを入れるっていうんは勇気がいるんですわ。僕はレーザーで腰の手術をしてあまり上手くいかんかった。もちろん、治ればいいんですよ。手術後にプレーができればいいんです。


でも、痛みが取れるメリットもあるかもしれんけど、デメリットもありますから、そこはどうチョイスするかです。

僕の場合はシニアになってから15年間、途中で何回かヤバいことはあったけど、一応は今までプレーはできております。そこはありがたいと思っています。

手首なんかは、打った後に痛いのか、打つ前に痛いのかでも違います。インパクト後に痛いんは、極端な話フォローを取らんようにすれば打てるやないですか。ところがインパクト前、クラブを上げるときに痛みが出るとゴルフはできません。あと1日だけやれば賞金をもらえるなんていうケースでも、インパクト後の痛みなら我慢してできるとか、そういうこともあります。

でも、小祝さくらさんみたいに大活躍していてまだまだ若い選手ですから、治ってまたツアーで活躍してくれると信じております。

ヨーロッパツアーで長年がんばっている川村昌弘くんも今シーズン途中に両手首の手術をして、片方にはボルトを入れて打てるようになったらしいです。

何でも、ヨーロッパツアーは楽しいけど飽きたと、まあ冗談やろうけど言って、何より今後はアメリカツアーにチャレンジしたくて、それで手術を決断したらしい。彼らしいですわ。飛距離は落ちたようやけど、職人タイプの彼だからそれでも戦ってこられたんでしょう。こちらも、これからも気にかけて応援していきたいと思います。

「他の人にはない選択肢があるということで、ゴルフも生き方もそこは共通してます」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2025年11月18日号より