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片手打ちとハーフショットだけをやっていたらショット精度が向上! 生死の境をさまよったプロゴルファー竹山昂成の復活ストーリー<後編>

25歳という若さで生死の境をさまよい、不可能と思われたプロツアーの世界に戻ってきた竹山昴成。後編では、練習に対する取り組み方の変化と、実際に効果のあった練習法を教えてくれた。

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/パナソニックオープン ゴルフチャンピオンシップ

竹山昂成 たけやま・こうせい。ジュニア時代から全国大会に出場。東北福祉大学卒業。21年プロ入りし、22年からACNツアー参戦。昨年のQTで6位に入り今季はレギュラーツアーとACNの二足のわらじで戦っている。兵庫県出身の26歳

>>前編はこちら

手を使いすぎないための
練習をひたすら続けた

クラブを握れるようになってからしばらくは、片手打ちやハーフショットしかできなかったが、それが改めて基礎を固めることになり、ショットの精度が向上したという。

「僕はもともと手を使いすぎてしまうクセがあって、フェースローテーションが多かったんです。だから右手片手打ちのときは左手で右腕を押さえて手を封印するイメージで練習していました。振り幅は腰から腰までのいわゆる“ビジネスゾーン”で、ここの動きさえ良くなれば上手くなれるということが本当にわかりました」

ウェッジで右片手打ちから左片手打ち、そのあとは8Iでタオルをわきに挟んでのハーフショットというのが一連の練習メニューだったという。

「せっかく片手打ちをやっても両手になった途端にまた手を使いやすくなってしまうので、タオルを挟んで体で打つようにします。これも最初は腰の振り幅から始めて、ハーフショットにいくという感じです」 


Point 1
クラブはずっと胸の前にキープ

トップでもフィニッシュでもクラブが胸の前から外れないように意識することが大切

Point 2
左のお尻を引っ張って体を回す

腕を使えなくしているため体の回転で打つが、とくに意識するのが左のお尻。切り返しから左のお尻を後ろに引っ張る

Point 3
肩の高さを一定に保っておく

フェースを返さないように意識しすぎると右肩が下がりやすいので注意が必要。フェース面はずっとキープ

手打ちを防ぐ3つのドリル

Drill 1 右片手打ち
右腕はロックして手首は固めすぎない

手打ちを封印するために右腕は押さえるが、手首まで固める必要はない。とはいえ手首を使いすぎもダメで、固めずに自然に使うこと

Drill 2 左片手打ち
左わきは締めすぎず自然に振り抜く

左腕を右腕のように押さえるとフォローが小さくなってフェースが返ってしまう。左わきは少し開いていい

Drill 3 タオル挟み打ち
両わきに挟んだタオルを落とさずハーフショット

タオルを落とさず体の捻転でハーフスウィングができるようになると、クラブのプレーンが良くなるだけでなく、下半身の使い方もわかってくる

練習の意味を理解してから
取り組むように

昨年までも人がやっていることを観察して取り入れるタイプではあったが、今年は直接聞いてその意味をきちんと理解してから練習に取り入れるようになったという。

「何をやっているんだろう? って疑問に思ったら聞くようになりました。想像して真似するのと、ちゃんと理解して取り組むのでは内容が変わると思ったので」 

そのなかでも印象深いのが平田憲聖から受けた言葉だった。

「ドライバーはフェード、アイアンはドローがいいよって言われたんですけど、それはあくまで結果のこと。ドライバーは遠心力がかかって手元が浮きやすいから左に振り抜いて、アイアンはフェースが返らないように真っすぐ振り抜く。そうすると自然と球筋は軽いフェードとドローになるんです」 

フォローのクラブの抜き方を変えるだけだが、理に適っている。実際に竹山は今季ACNツアーのパーオン率1位で(10月21日現在)ドライバーとアイアンの精度の高さを証明している。

ドライバーは左に、アイアンは真っすぐ振り抜く

ドライバーは遠心力によって手元が浮きやすいため、左に振り抜いて手が体の近くを通るようにする。アイアンはラインを出すために真っすぐ振り抜く

浅地洋佑からの教え
「できないことをやろうとしないこと」

「ギャラリーにいいところを見せたくて難しい技を使ったりしてましたが、浅地さんに『その状況でもっとも確率の高い打ち方をしなさい』と言われて目が覚めました」

S・ビンセントからの教え
「5フィートの速さを調べてから練習をしなさい」

「グリーンは日によっても速さが違うから、そのグリーンに合わせられる自分を作ってから練習を始めることが大事なんです。ビンセントさんはナイスガイです」

月刊ゴルフダイジェスト2025年12月号より