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PGAツアーで主流の「先回りスウィング」とは?<前編>マキロイもシャウフェレも“先回り”で飛ばしていた

プロコーチの吉田直樹氏によると、現在PGAツアーで主流となっているスウィングにはある共通点があるという。吉田コーチはその動きを「先回りスウィング」と呼ぶが、いったいどんなスウィングなのか? どんなメリットがあるのか? 詳しく話を聞いてみた。

PHOTO/Hiroyuki Tanaka、Yoshihiro Iwamoto THANKS/三甲GCジャパンコース

吉田直樹 よしだ・なおき。1978年生まれ。兵庫県出身。幼少期をアメリカで過ごし、有名コーチの指導を受けた経験を持つ。谷原秀人、小祝さくら、イ・ボミ、片山晋呉、上井邦浩などを教えてきた。兵庫県・芦屋で室内練習場「ラ・キンタ」主宰
西山星空 にしやま・ひかり。2005年生まれ。香川県出身。レギュラーツアーで活躍している西山大広の妹。プロテスト合格を目指して、日々、練習に励んでいる

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左足1本と右足1本
打ちやすいのは?

GD 先回りスウィングとは、どういう振り方でしょうか?

吉田 体を目標方向に先回りさせることで、“ボールをとらえやすくなるスウィング”ということです。

GD それは、普通のゴルファーにもできるんですか?

吉田 コツをつかめば大丈夫です。では、ここで簡単な実験です。7番アイアンを持って、左足1本で立ったときと右足1本で立ったときでは、どちらが打ちやすいか、打ち比べてみてください。

GD やってみてわかりましたが、左足だけで立つほうが打ちやすいですね。

吉田 そうなんですよ。左足1本で立つと、クラブが下りてくるところにボールがあるのでカンタンに打てますが、右足1本で立つと、ボールを右足の前か、もっと右に置かないとダフってしまいます。

GD この実験が、先回りスウィングと関係がある?

吉田 大アリです。ゴルファーは、ボールより先に体の重心がないと、打ちにくくなることがこれでわかるんです。

左足1本立ち
右にボールがあるのでカンタンに打てる

「左足1本で立って、右足を添えるだけにしてみると、クラブが下りてくる途中にボールがあるので、ゴルファーなら誰もが打ちやすく感じるはずです」

右足1本立ち
そのまま打つとほぼダフってしまう

「右足1本で立って、 左足を添えるだけにしてスウィングした場合は、ヘッドの最下点が自然と右になるので、必然的にダフりやすくなってしまいます」

自然とインパクトが
ハンドファーストに

吉田 左足1本で立ったほうが打ちやすいことがわかったところで、ローリー・マキロイのスウィングを見てください。アドレスとインパクトを比較すると、明らかにインパクトで体を左に移動させていますよね。

GD 確かに、かなり左に動いています。

吉田 これが、体を“先回り”させる動きなんですよ。ボールよりも目標方向に体を先行させておけば、ボールに当たりやすくなって、自然にハンドファーストにインパクトできるという仕組みです。

GD 体が左に突っ込む動きとは違うんですか?

吉田 上半身から左に突っ込んでいくあの動きとは違って、左足を踏み込むことで、下半身が左下に沈み込む動きに引っ張られているんですよ。

GD 意外なことに、PGAツアーの選手のほうが、ボールに当てやすい、やさしいスウィングをしているんですね。

マキロイのアドレスとインパクトを比較すると、インパクトのとき、体全体が足1本分くらい左に移動している。これが、ミート率を上げる“先回り”の動き。切り返しから左足を強く踏み込んで、頭も肩も腰も左下方向に動いているのがわかる

ザンダー・シャウフェレ

左への動きだけでなく、下に沈み込む動きが大きい

スコッティ・シェフラー

左への動きが大きく、腰の幅の半分くらいシフトしている

体の重心が左にあるとミートしやすくなる

体の重心がボールより左にあると、ヘッドがボールに届くが、体の重心がボールより右にあると、ヘッドがボールに届かなくなる。体が左に先回りすると、ボールをとらえやすくなる秘密はコレだ

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週刊ゴルフダイジェスト2025年11月4日号より