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【マイギアを語ろう】長野泰雅「58度をあえて2度寝かせている理由は“顔”と“バウンス”」

自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。今回は、プロ4年目の今年、ロピアフジサンケイクラシックで初優勝を挙げた長野泰雅のセッティングを取り上げる。

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara

長野泰雅 ながの・たいが。2003年5月6日生まれ福岡県出身。中・高はゴルフの名門校である沖学園で腕を磨く。21年に九州ジュニアゴルフ選手権を制しプロ転向、翌22年にプロテストをトップ合格した

58度を60度に寝かせて
バウンスを効かせている

不調をクラブのせいにしたくないという理由から、今期からクラブ契約をフリーにした長野泰雅。オフの間に厳選した14本のなかでもっとも好きなのは60度のウェッジだという。

「昔からアプローチが好きで遊びながらたくさん練習してきて、そのとき使っていたのがボーケイのウェッジだったのでまた戻りました。何よりこの顔が好きなんですけど、60度の顔よりも58度を60度に寝かせた顔がさらに好きなのでそうしています。ネックの部分が少しグースっぽくなる感じがいいんです」 

58度を寝かせるのは、顔が好みになることともうひとつバウンスの関係もあるようだ。

「僕は割とバウンスを使って打つタイプなので、58度を寝かせたほうがバウンスが出てくれるというのもあり、抜けがよくなって打ちやすいんです」

ウェッジ 
タイトリスト「ボーケイ SM10」


「60度の顔よりも、58度を60度に寝かせた顔のほうが好きです。ネックの部分がグースっぽく見えるのがいいんです。バウンス角も大きくなって打ちやすいんです」

ドライバーは
FWキープ優先

ウェッジは顔で選んだというがドライバーに関しては顔よりも結果重視派だ。

「最初は大きい顔にちょっと抵抗があったんですが、もう慣れました。とにかくつかまりが良くて気に入っています。僕はもともと持ち球がドローなんですけど、ドローを打とうとしなくても自然とつかまってくれるんです。そしてフェードを打つときにも、左に振り抜けばちゃんとつかまったフェードになってくれます」

昨年まではドライバーに苦手意識があったため、飛距離よりもフェアウェイキープ優先という観点で決めた1本だという。

「同じタイトリストならGT3のほうが飛距離は出るけど、僕は方向性でGT2を選びました。富士桜みたいなコースでもフェアウェイに打っていけて優勝に繋がったんだと思います」

ドライバー
タイトリスト「GT2」

つかまりがいいから気持ち良く振れる
「昨年まではドライバーの不調に悩んでいたけどそれはクラブではなくスウィングの問題。でもクラブを替えていいキッカケはつかめました」

FWとUTだけは替えられない

アイアンは優勝した週から新しく投入したものがピッタリはまったという。

「それまで左に飛んでいて悩んでいましたが、友達にプロジェクトXのシャフトが左に行かないって教えてもらって、それにタイトリストのヘッドを合わせたら真っすぐ行くようになりました」 

いいと聞くとすぐに試す、基本的にクラブは“新しいモノ好き”だが、3WとUTの2本だけは替えられないという。

「昨年までドライバーが苦手だったので、狭いホールで3WやUTでティーショットを打つことが多くて、この2本は思った通りの球が安心して打てるんです。パー5の2打目でもスピン量とか高さが理想的。新しいモデルで同じくらいのショットが打てるクラブがあっても、ずっと使っている安心感があるからどうしても替えられないですね。何本かストックをキープしているくらいです」 

ドライバーが得意になったいまも、この2本は手放す気はない大切なスタメンのようだ。

フェアウェイウッド
テーラーメイド「Qi10 ツアー」(15度)

ユーティリティ
ブリヂストン「B1 HY」(18度)

「3Wは4本くらいストックがあるんですけど、UTはストックがないんです。そろそろフェースが割れてしまうかもとおびえています(笑)」

パター
オデッセイ「Ai-ONE MILLED ツアーパックコレクション」

パチンとしっかりインパクトして打つタイプで、マレットタイプはほぼ使ったことがないという。「スライスラインが好きで、L字は左に打ち出しやすいところも気に入っています」

長野泰雅の14本セッティング

月刊ゴルフダイジェスト2025年12月号より