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「毎朝“冷水”を浴びていた」「記憶力抜群」小祝さくらのエピソードにみる強さの秘密

PHOTO/Tadashi Anezaki ILLUST/Shinichi Hoshi

「おっとりとしていて天然」のイメージがある小祝さくらだが、実は超がつくほど真面目でしっかりとした一面があるという。周囲の証言から、次々と驚きのエピソードが明らかに!

強さの秘密は愚直なまでの
真面目さにあった

2020-21シーズンですでに3勝を挙げ、常に優勝争いに絡む活躍をしている小祝さくら。その強さの秘密は彼女の性格にあると、辻村明志コーチは言う。

「さくらは見た目だけでいうと、すごくほっこりしてマイペースに思われますが、実際は素直でかなりの真面目気質です。特にゴルフに対しての真面目さはほかの誰よりも強く、“バカ”がつくほど真っすぐです。それが顕著に出たのが昨年秋の出来事。練習に身が入っていないさくらを見たときに、冗談で『毎朝冷水を浴びて気合いを入れてから練習に来な』と言ったんです。そしたら、それを鵜吞みにして最終戦のリコーカップまで続けていたんです。僕もやっていることにビックリしたのですが、なんでも素直に受け止め、真面目に継続できる力があるということが彼女の強みだと思うんです。この継続できる力が、どんなときでも変わらない強さにつながるのだと思います」

本当にあった真面目すぎる話

昨年のシーズン中、練習に身が入っていない小祝を見て辻村コーチが「毎朝冷水を浴びてから練習に来い」と冗談で話すと、本当に毎日継続していたという


関係者に聞いて分かった
「実は超がつくほど真面目だった!」

「練習に来る時間がいつも同じ」(辻村コーチ)
「練習に来る時間や、僕を待つ立ち姿がいつも同じなんです。
だからどんなときでも同じプレーができるんだと思います」

「試合になると見たことのないさくらに変わる」(小祝の母)
「練習中にはできていなかったプレーが試合になるとなぜか
できちゃうんです。まるで別人がプレーしている感覚です」

「ゴルフ以外に執着心がまったくない」(高2までのコーチ・澤村さん)
「高校生は遊びたい年頃だと思うのですが、ひたすらゴルフに
打ち込んでいました。最初はやらされていた感がありましたが……」


仲間が証言!
小祝の “超意外”なエピソード集

上田桃子の証言
「他人のプレーをよく観察している」


「チーム辻村」の先輩、上田桃子は小祝の憧れ。小祝は上田の練習をジッと見続けて研究しているという。「見られすぎてこっちが緊張しますよね(笑)」(上田)

松田鈴英の証言
「1度通った道は絶対に忘れない」

「いつも何を話しているかわからないほど天然ですが、道案内などはすごく的確なんです。以前、真っ暗な道を通ったときも完全に把握していてびっくりしました」(松田)

永井花奈の証言
「神経衰弱がやたらと強い」

「普段はのほほんとしているのに、神経衰弱が始まると目つきが変わってあっという間にいっぱい取られちゃったんです。あの記憶力と集中力はすさまじかったです」(永井)

勝みなみの証言
「同期会はいつも小祝が幹事役」

「毎年試合の合間に同期会をするのですが、その予約は決まってさくらがやってます。みんなの細かな要望に応え、連絡もマメなんです。見た目からは考えられないですよね(笑)」(勝)

辻村コーチが感じるもうひとつの強さ
「記憶力がマネジメントに生きている」

「コースの形状などを記憶し、加えてヤーデージブックに細かく情報を書き込む真面目さがある。こういう部分も、試合で有利に働いているんだと思います」(辻村)

月刊ゴルフダイジェスト2021年6月号より