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【インタビュー】原英莉花<後編>自ら手繰り寄せたLPGAツアー出場権「勝つためにゴルフをやっている。コースと闘っていくだけ」

日本女子ツアーで5勝を挙げた原英莉花が、アメリカ女子下部ツアーに挑戦している。そんな原に、3月、6月、そして初優勝を決めた8月、アメリカで3度の単独インタビューを決行。なぜ原はアメリカを目指したのか、日本では語らなかった本当の理由を明かしてくれた。

TEXT・PHOTO/Yasuhiro Tanabe

原英莉花 はら・えりか。1999年2月15日生まれ。神奈川県出身。ジャンボ尾崎に師事し、2018年プロ入会。日本女子オープン2勝を含む、JLPGAツアーで5勝を挙げている。昨年の米女子最終QTの成績によりエプソンツアーに出場し、来季米LPGAツアーの出場権を獲得した

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最終ホールはボギーでしたが
この試合だけはヨシッ!

GD ワイルドホース女子ゴルフクラシックの優勝、おめでとうございます。ついに、エプソンツアーで勝つことができましたね。

 ありがとうございます。ずっと優勝したいと思っていたので、すっごく嬉しいです。

ワイルドホース女子ゴルフクラシックの最終日、12個のバーディを取ろうと決めてスタートした原は、10バーディ2ボギーの64という驚異的なスコアを叩き出し、逆転優勝した。ウィニングパットを沈めると、満面の笑みで右手を高く突き上げた

GD 最終日は64の猛チャージでした。何かきっかけのようなものがありましたか?

 1個、スライスラインが入ったのがよかったですね。そこからスライスについていて、いいイメージで打てたと思います。

GD 7番から5連続バーディでしたね?

 ターンするときに2個はアンダーでいたいと思ってたんですが、6番のバーディパットを外してしまって。でも、7番で切り替えました。それまでちょっとショートしていたので、浅めに強く! と、勝負をかけたんです。

GD 同組の選手とマッチプレーのような展開になりましたが、そういう感覚はありましたか?


 レイニー・フライもすごくいいプレーをしていたので、すごく楽しみながら、緊張感も持ちながらプレーできましたね。

GD 2位に3打差をつけて迎えた最終18番ホールで、ティーショットをバンカーに入れてしまいましたが……。

 18番は一番苦手なホールだったんです。いいティーショットを打てたんですけど、風がいきなり逆! フォローだったのにアゲンストが吹いて、バンカーに入ってしまって。やっぱり少し焦りましたね。

GD アプローチを打つときはどんな心境でした?

 距離は30ヤードありました。とにかくグリーンが硬いので、「跳ねてオーバーするのはイヤだな~」と思って、ちょっとイメージが湧かなくて、ミスしちゃいました。

GD 最終ホールはボギーでした。

 ボギーでちょっとカッコ悪かったですけど、「この試合に限っては、ヨシッ!」としました。

エプソンツアーで初優勝を決め、同時に来年のLPGAツアーの出場権も確定させた原に、エプソンツアーをともに戦う伊藤二花がウォーターシャワーで祝福する

来季のLPGAの出場権を確定させた

原は、米女子下部ツアーであるエプソンツアー16試合に参戦し、ここまで予選落ちゼロ。現在ポイントランキング4位で、参戦前に最低限の目標としていた10位までに与えられる来年のLPGAツアーの出場権を確定させている(※データは9月4日時点のもの)

スピーチは
最終日のプレーより緊張

GD この優勝で、来年のLPGAツアーの出場権も確定しましたね。

 優勝はすごく嬉しいんですけど、スピーチがすごく緊張してしまって。

GD 最終日のプレーとスピーチとどちらが緊張しました?

 ぜんぜんスピーチのほうが緊張しましたよ。日本でもそうなんですけど、スピーチが苦手なんです。

GD 今週、LPGAツアーで岩井明愛プロが勝って、同じオレゴン州で日本人選手が2人勝つことになりました。

 昨日、ネットの記事を見たら、3日目に岩井プロが私とまったく同じ服を着ていたんですよ。岩井プロには、やっぱりおめでとうと言いたいです。今年、優勝すると思っていましたし。

GD 来シーズンはLPGAツアーに上がって、日本人選手同士がライバルにもなるわけですが、そのあたりの心境は?

 私は勝つためにゴルフをやっているので、誰がとか、日本人選手がとかはあまり関係ないんです。そのコースと闘っていくだけなので。LPGAツアーのいろんなコースを回れるのは楽しみですし、もっともっとスキルを磨いて、新しいコースにチャレンジしたいと思います。

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月23日号より