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ミニドライバー vs 短尺ドライバー<前編>どっちがいいの?「同じ43.5インチでも“弾道”が大きく変わる」

近年プロ・アマを問わず人気を博している「ミニドライバー」だが、シャフトを短くした「短尺ドライバー」とはどう違うのか? 徹底検証した。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/クレアゴルフフィールド

解説/堀越良和

豊富な試打経験に裏打ちされた知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発に携わる、“キング・オブ・試打”。クレアゴルフフィールド所属

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長さは同じでも
弾道が大きく変わる

近年、ドライバーに悩みを抱えているゴルファーの救世主として、地位が確立されてきたミニドライバー。通常のドライバーよりクラブが短いことで、振り抜きやすくて、芯でボールをとらえやすい。しかし、クラブが短いということで言えば、一般的なドライバーのシャフトを短くした短尺ドライバーとどのような違いがあるのか。今回、堀越良和プロに詳しく違いを教えてもらった。

「最近は長さが45インチ台後半のドライバーが多いですが、43.5インチ前後のミニドライバーが人気の理由は、振り抜きやすくて曲がりにくいからです。であれば、ヘッドの大きいドライバーを同等の43インチ台の長さにした短尺ドライバーはどうなのか。ヘッドが大きいので、ミニドライバーより慣性モーメントが大きくなることでミスヒットに強く、直進性アップが期待できます。加えて、ここで理解してほしいのが、基本的に通常のドライバーより2インチほど短くなることで、遠心力の関係でヘッドスピードが落ちます。それに伴い、飛距離も落ちるのは理解しておきましょう。そのうえで、飛距離よりも安定性を手にしたい人には短尺ドライバーは効果的な手段になるでしょう」

では、同じくらいの長さのミニドライバーと短尺ドライバーでどのような違いがあるのか。

「ミニドライバーの場合ヘッドが300cc前後で小さく、短尺ドライバーは460ccと大きいです。ヘッドの大きさが変わることで、重心位置が変わり、操作性や弾道が変わってきます。ミニドライバーの場合、ヘッドが小さいことで重心距離が短く、重心深度は浅いです。よって、ヘッドが動きやすく操作性が高い。加えて、重心深度が浅いので中弾道で強い球が出やすい。一方、短尺ドライバーはヘッドが大きいことで、重心距離は長く、重心深度が深いです。その結果、ミニドライバーと比較すると、ヘッドの挙動が安定し、重心深度が深いことでミスへの寛容性は高いです。どちらも短いので振り抜きやすいという点は共通していますが、ヘッドの大きさが変わることによって、弾道が変わってきますので、ドライバーで抱える悩みに応じて、どちらをセカンドドライバーとして位置付けるかはしっかり検討したほうがいいですね」

今年のPGAツアーで年間王者に輝いたT・フリートウッドもミニドライバーを愛用。トッププロから一般ゴルファーまで、近年幅広く支持されている

短いクラブのメリット
●振り抜きが良くなる
クラブが短くなることで遠心力が抑えられ、振り抜きやすくなる。スウィング軌道が安定し、長いクラブで起きがちな振り遅れなどが防止でき、再現性が高くなる
●ミート率が上がる

スウィング軌道が安定することによって、余計なヘッドの動きが生まれにくくなる。それによって、球をフェースの芯でとらえやすくなり、安定性が向上する

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週刊ゴルフダイジェスト2025年9月16日号より