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【ゴルフせんとや生まれけむ】陸奥一博<後編>技能賞は4回受賞。“小技”には自信があります

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、前回に引き続き元大関霧島の陸奥一博氏。

>>前回のお話はこちら

練習はあまりしないけど、若い頃はロッテ葛西の練習場によく行きました。ドライバーショットは、奥のネットに直接当たっていましたね。いまはコースに出たときにスタート前に体をほぐす程度。まあ、現役の頃から稽古場よりも本場所の本番に強いタイプだったですから(笑)。

現役を引退して陸奥部屋を起こしてからは、東京場所後と、大阪、名古屋、九州の地方場所後にそれぞれ後援会のコンペを開催して、それも含めて年に50~60回はラウンドするようになりました。親方稼業は弟子の育成と同時に、後援会を組織して部屋経営をするのも仕事の一つなので、それにはゴルフがすごく役に立ちました。

よく行ったコースは、部屋が両国にあったことから、千葉方面や茨城の常磐道方面ですけど、関東のゴルフ場はほとんど行ったんじゃないかな。いまもコース内の茶店の壁にサイン入り色紙が飾ってあるゴルフ場がいくつかありますよ(笑)。


ベストスコアは70です。栃木県のつつじヶ丘CCで出しましたけど、ほかにも同じ栃木県の桃里CCでは5連続バーディという記録があるし、名前は覚えていないんですが名古屋場所後に行ったゴルフ場では1イーグル6バーディもマークしています。でもベストスコアは70(笑)。なんでかって? 途中で必ず池ポチャやOBがあるんですよ。これがなければ、パープレー連発だったんですけど。

得意クラブ? 私はショートゲームが得意なんですよ。アプローチは上げたり転がしたり、ロブショットもSW1本でね。何しろ技能賞を4回ももらっているからテクニックはそれなりにあるんです(笑)。

ジャンボ尾崎のクラブフィッティングをしていたマスダゴルフの増田雄二さんに名前入りの52度と58度を特注で作ってもらって、巡業のときも明け荷の中に入れて持っていっていたくらいで、それは今も愛用しています。パッティングも好きで、よく「竿イチ」でリーチをかけてチョコをいただいていました(笑)。自分はプレッシャーがかかるのが好きなんですね。追い詰められて必死にやったときは達成感が違うでしょう。

逆に、苦手というか、嫌いなのはドライバー。曲がるんですよ。現役時代は当たると280ヤードくらい飛んだかなあ。でも、これがなかなかちゃんと当たらないし、当たっても真っすぐ飛ばない(笑)。今の飛距離はせいぜい230ヤード前後。やはり60を過ぎてから飛ばなくなりましたね。

現在の愛用クラブはドライバー、アイアンともピンです。ドライバーは少し前のピンG425。若い頃は、友人に作ってもらったドライバーで、テーラーメイドのロフト7度のヘッドにトリプルXのシャフトを入れて使っていましたが、今はもう皆さんと同じ市販の普通のクラブです。

私がゴルフ好きだったせいで、娘も13歳のときからゴルフを始め、今は都内でインストラクターをやっています。そういう家族とのラウンドも含め、これからはのんびりとエンジョイゴルフにいそしみたいと思っているところです。

陸奥 一博

1959年生まれ。元大関霧島。75年3月場所で初土俵。84年7月場所入幕。三段目から始めた筋トレで肉体改造に取り組み、和製ヘラクレスと言われた。最高位は東大関。得意技は左四つ・吊り・出し投げ。96年に引退して陸奥親方に。鹿児島県牧園町出身

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月9日号より