【ゴルフの急所】Vol.55 長いアイアンが苦手なら迷わずUTを入れましょう
寺西明「ゴルフの急所」
30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。
PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/美奈木ゴルフ倶楽部

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- 30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。 PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/美奈木ゴルフ倶楽部 >>前回のお話はこちら ……
青木瀬令奈プロは、8I~SW以外はウッドとUTだと聞きました。正直、私は長いアイアンが苦手だし、最近は飛距離も落ちてきているのでマネしてみたいのですが、格好が悪い気がしてできません。もし、寺西プロが私の立場だったらどうしますか?(大本義明さん・60 歳・HC14)
自分が扱えるクラブを入れよう!
これはもう間違いなく、長いアイアンを抜いてUTやFWを入れるべきです。5番アイアンが苦手なら5番を抜き、6~7番も苦手ならアイアンは8番~SWまでにしてUTやFWを充実させる。ボクが同じ立場になったら迷わずそうするでしょう。
基本的に、ボクは、自分が足りないところを補ってくれるクラブがあるなら、それはどんどん使うべきだと考えています。歳を取って、パワーやスピードが落ちてくれば、飛距離は落ちるし、高さも出せなくなります。とくに、長いアイアンはそれが顕著に表れるわけです。そのとき、UTやFWを使えば、飛距離も高さもやさしくカバーできる。それなら迷う必要はないはずです。
実際、ボクも5番アイアンで昔のような高さ、スピンを出せなくなってきたので、今年から5UTを試しています。日本シニアオープンなどの厳しいセッティング(深いラフや硬いグリーン)で球を止めるには、そのクラブが必要だからです。
格好が悪い気がするということですが、20年前に「UTなんて使えない」などと言っていたプロたちが、みんな「UTが一番コントロールしやすい」と言って使っているのです。そんな時代に、読者のみなさんがUTやFWを多用したからといって、恥ずかしがる必要などみじんもありません。
ロングアイアンでプレーするためにゴルフをしているのであれば別ですが、いいスコアで回りたい、上手くなりたいと考えているのであれば、ムダな見栄は捨ててしまいましょう。
判断基準としては、番手間の飛距離差が出なくなったクラブ(5番と6番の飛距離がほとんど変わらない、など)、高さが出ないクラブ、小さなミスで飛距離が大幅に落ちてしまうクラブは抜く。その代わりにFWやUTを充実させるのです。もし、アプローチやバンカーが苦手な人であれば、FWやUTだけでなく、チッパーやバンカー専用のウェッジに替えてもよいのではないでしょうか。
今よりも飛ばす、止める、上げる。この3つを技術で向上させることはとても難しい作業と言えます。まして、苦手なクラブでそれを実現するのは至難の技です。それならば、それを補ってくれるクラブに頼ってしまう。それは決して悪いことではないし、合理的な結論だとボクは思うのです。

私も今年から5UTを投入しました
たとえば、同じミスをしても、5番アイアンなら20~40Yは飛距離が落ちるところを、UTであれば10~20Yのロスで済むし、球の高さも出る。それならば、無理をして5番アイアンを使うよりUTを使ったほうが、はるかにスコアメイクがしやすくなるはずだ
苦手なライを助けてくれるクラブを入れてみる
苦手なアイアンを抜いたら、ウェッジなどを充実させるのもいい。アプローチが苦手な人はチッパーを入れたり、バンカーの苦手な人はバンカー専用のウェッジを入れたりして、自分の足りないところをクラブに補ってもらおう

40歳の頃の自分だったら違う答えを言っていたかも
「若かりし日のボクは、人一倍飛んでいたので飛ばない人やシニアの方の気持ちがわかりませんでした。だから、今回の質問に対して、40歳のボクであったら答えは違っていたかもしれません。でも、60歳を目の前にした今のボクは、飛距離に悩むみなさんの気持ちがよくわかるようになりました。結論は、クラブは絶対にやさしいほうがいい!これで決まりです」
月刊ゴルフダイジェスト2025年10月号より


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