効率的の良いスウィングを作るうえで重要なのが「トップ」の形。理想のトップを作るための「前傾姿勢」と「右ひじのポジション」について、プロゴルファー・大谷奈千代に詳しく教えてもらおう!

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  【教えて! なっち先生】Vol.20　スウィング中、左手はどう動くのが正解か?

  ゴルフスウィングにおいて、手首の動かし方は右だけでなく左も重要だ。プロゴルファー・大谷奈千代に、左手の使い方をイラストも交えつつ詳しく解説してもらおう! >>前回のお話はこちら Lesson 20　スウィング中左手はどう動くのが正解か? ゴルフスウィングを覚えるとき、感覚ってとっても大事ですよね……

Lesson 21
理想のトップを作る
前傾姿勢と右ひじのポジション

まず、トップで大切なのは、アドレスのときの体の前傾姿勢をキープしておくことです。　

前傾姿勢が崩れて、上体が前後に動いてしまうと、ダウンスウィングからインパクトにかけて何かしらの調整が必要になってしまいます。こうなってしまうと、スムーズなスウィングができなくなるので、ヘッドスピードが減速するだけでなく、再現性も失ってしまうので注意が必要です。前傾姿勢はとても分かりやすく大切なチェックポイントなのです!

効果的な前傾角度をキープする練習ドリルもご紹介します。まずは直立してクラブを背中に担いでください。このとき、左右の肩甲骨の高さが同じになるようにクラブを担ぎます。　

次に股関節の折り曲げ（屈曲）で、骨盤の上に乗っている背骨ごと上体を前傾させて前傾姿勢を作っていき、ひざを軽く曲げます。この順番で正しいアドレスができたら、股間節と胸椎を回して上体を右に回します。　

体が硬い人にとっては、とても窮屈に感じるのがこのドリルです。このねじる動作がつらくて楽をしようとしたときに、代償動作が起こって左右の肩甲骨のポジションが上下にずれてしまいます。これが、上体が前後してしまう原因です。　

代償動作を改善するためには、肩甲骨や首周りのストレッチが大切です!　両肩と背骨を直角に保つことができれば、前傾姿勢を維持できるようになりますよ!

トップで右ひじは下を向いて直角になる

前傾姿勢をキープできたら、右ひじの角度とポジションをチェックしましょう!　

基本はトップでの右ひじは直角に曲がり、下を向いたポジションです。このポジションに収まると、右前腕は地面とほぼ垂直の状態になり、右手首は甲側に折れます。　

トップの大きさについては、肩甲骨周りの柔軟性と可動域、またトップの大きさで違いはありますが、この基本から大きく外れてしまうと、クラブは効率のいい軌道から外れてしまうので覚えておきましょう!　

コツとしては、わきを締めたままの状態でクラブを体で持ち上げるのですが、実際にわきが締まっているのは、右ひじが折りたたまれる、クラブが腰の高さから胸の高さに上がるタイミングまで。正しいトップでは、右わきは少し体から離れます。

よく耳にする「わきを締める」という表現の大事な意味合いは、上腕がグラつかず胴体と連動して動くことにあるので、本当にわきを締めたままトップを迎えてしまうと、遠心力が使えない窮屈なトップになってしまうので注意しましょう。　

後方からのチェックでは、アドレスでできたシャフトの延長線と、ボールと肩の位置の延長線が作る三角形のエリアに手元とクラブが収まっていることが基本となります!　

このポジションに収まっていない人は、アドレスでの右ひじの向きやバックスウィングからトップにかけての過程を再確認しましょう!

大谷奈千代

1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う

週刊ゴルフダイジェスト2025年8月19・26日合併号より