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浅地洋佑のアイアン復活物語<後編>復調のカギは「右ひじの角度」

22年から続いたアイアンの不調を乗り越え、中日クラウンズで見事な復活優勝を遂げた浅地洋佑。後編では、不調を乗り越えた具体的な方法について教えてもらった!

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/チェリーヒルズGC

浅地洋佑 あさじ・ようすけ。杉並学院高校時代からトップアマとしてツアーで活躍し、2011年に18歳でプロ入り。翌年には19歳でシード権獲得。19年ツアー初優勝。通算4勝。東京都出身の32歳

>>前編はこちら

右ひじの角度によって
クラブの入り方が変わる

ライトアングルで右ひじの角度を修正したというのは、具体的にはどういうことか?

「トップで右ひじが曲がりすぎていたんです。大きく曲がってそれを伸ばしながら当てにいくから、インパクトがハンドレイト気味になっていました。ライトアングルは角度を3段階調節できますが、一番角度がつかない設定(約70度)で練習しました」

本来はショートゲーム用の角度なのだが、あえてその設定で取り組んだのには理由がある。

「PGAトップで右ひじがそこまで曲がっていないんです。マキロイは60度くらい。僕は最初は120度くらいだったけど、いまは80度くらいになりました」

80度のトップからその角度をなるべくキープしながら打つと、ヘッドが遅れてハンドファーストのインパクトになる。これでショットが見違えるようになった。

「不調なときはどうしてもクリーンに当てたい意識が働くから、とにかく上から打ち込んでいたんです。だからタメを深くしたくて無意識に右ひじが曲がっていたんだと思います。ひじが伸びたら入射角が緩やかなハンドファーストになって、ターフが薄くなりました」

ひじの曲げ伸ばしによって複雑な動きをしていたクラブ軌道も、シンプルになった。

「インパクトが変わったら曲がらないし距離も5Y伸びました」

70度で止まるようにライトアングルをセット

最初はバックスウィングが上げられないくらい違和感があったが、いまはライトアングルを装着したままラウンドもする


改善点1
ハンドレイトからハンドファーストに

上から当てたい意識が強いせいで、トップで右ひじが大きく曲がり、そこからヘッドを早く下ろして当てにいっていたため、インパクトがハンドレイトになっていた。ひじの角度が80度になったらインパクトが自然にハンドファーストになった

改善ポイント2
シャフトクロスからオンプレーンに

改善ポイント3
入射角が緩やかになった

右ひじを伸ばしたことでスウィングアークが大きくなり、ヘッドの入射角が緩やかになった。インパクトゾーンが長くなり、距離感も良くなった

トップまで左ひざは
動かさない

スランプ時はスウィングバランスも崩れ、トップで左体重、インパクトで右体重だったという浅地。ティーアップしているドライバーならともかく、アイアンで右体重のインパクトではボールに届かずミスのもとになる。

「もともとトップで左ひざが内側に寄るクセがあり、スランプの時はその動きがひどくなっていわゆる“ギッタンバッコン”になっていました。そこでやったのが、ひざで大きめのゴムボールやカゴを挟んだまま打つドリルです。左ひざが寄らなくなって、体重をセンターに保てるようになりました」

スランプ時はトップで左ひざが内側に寄るクセがあり、軸が傾いて左足体重になっていた。インパクトでは反対に右体重になりミスの原因になった

対策は「カゴを挟んで打つ!」

カゴなどをひざの間に入れて挟んだまま打てば、左ひざが内側に寄らなくなり、軸も傾かずに真っすぐ保たれるようになる

浅地洋佑の最新アイアンスウィング

月刊ゴルフダイジェスト2025年9月号より