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【企業ゴルフ選士】Vol.18 熊谷組・沼口宣江さん「“おじさんのスポーツ”が一番の趣味になっちゃった」

戦うだけのゴルファーではなく、会社に認められ、選ばれたゴルファーである“企業ゴルフ選士”をクローズアップ。今回の選士は熊谷組の沼口宣江さん。

ORGANIZER/Hironori Kogure PHOTO/Tsukasa Kobayashi THANKS/筑波CC


今週の選士

熊谷組
管理本部
人事部 人事グループ
沼口 宣江さん


母の“代役”として初めてゴルフクラブを握って以降、仕事や家庭環境の変化に順応しながらゴルフを楽しむ。平均スコアは100前後だというが、試合のスコアは普段より良いこともしばしば

熊谷組

創業126年のゼネコン。大型土木工事に定評があり、特にトンネル工事では高い技術力と実績を有し、関電トンネルなど最難関工事にも携わる。また当時世界最高となる台北101を建設するなど超高層建築も手掛け、近年では中大規模木造建築にも力を入れる

マイペースで30年
“沼”を楽しみ尽くす

熊谷組の人事部で採用を担当している沼口宣江さんは、女子選手の出場が必須となった2023年から同社を代表して日経カップに出場している。そんな沼口さんは現在、競技ゴルフとエンジョイゴルフの言ってみれば“はざま”にある、一番楽しい部分を満喫している真っただ中だが、20代中頃でゴルフクラブを手にした当初は、ゴルフに対し決して良い印象を持っていたわけではなかった。

「私がゴルフを始めたのは入社2年目の頃でした。ゴルフをやっていた両親に幼い頃から『ゴルフやってみれば?』とよく言われていたのですが、おじさんのスポーツだと思って見向きもしませんでした」

しかし24歳の頃、ゴルフへの印象が180度変わる出来事があった。

「当時、母は市がやっているゴルフスクールに当選して通うことが決まっていたのですが、ある日ぎっくり腰で行けなくなったことがありました。そこで『もったいないから、あなた行かない?』と言われ、母のクラブを手に受講してみたら、すごく面白くて。そこから2クールくらい通うことになりました」

インドネシアで
ゴルフと急接近

その後、夫の駐在のためインドネシアのスマトラ島へ同行したことで、ゴルフとの距離が縮まることになる。

「夫に帯同するにあたって一度会社を辞めたのですが、当時は子どもがいなかったこともあり、やることがありませんでした。そこで近所にあったゴルフ練習場と言っていいかわからない野原のような練習場所で打ってみたり、会社の人たちと一緒に車で9時間くらいかけてゴルフ場へ行っていました」

言ってみれば“現地駐在員の妻の手習い”というところだろうか。それがさらなる“ゴルフ沼”へと引き込まれることに。

「その後ジャカルタへ引っ越したところ“ジャパンクラブ”という日本人会があり、そこに駐在員の妻たちでゴルフを楽しむ会(JJC女子ゴルフ部)がありました。試しに入ったら上手い人がたくさんいて、コンペなどは厳格なルールのもと行われていました。韓国人の女性たちのクラブもあって、日韓戦と銘打ってマッチプレーをやったりもしましたね」

競技の魅力やルールの大切さを知った沼口さんは帰国後に復職。日経カップの出場者を決める選考会への参加を打診されたとき、まず感じたのは期待感だった。さすが国別対抗のマッチプレーでならしただけのことはある。

自分の価値観、自分のペース

沼口さんのキャディバッグを見ると、新旧さまざまなクラブが入っている。なかでも異彩を放つ4番アイアンは、これまでいろいろな場面で沼口さんを助けてくれた。

「母のお下がりをずっと使っていたのですが、これはインドネシアで初めて買ったセットの1本です。今のクラブ(ミズノプロ)に買い替えてからも、この4番は手放せません」

20年以上前に買ったキャロウェイのスチールヘッドの使い道は、ずばりトラブルショット。林に入れた時などの安心感はほかに代えられないそう。ちなみに15年近く前に買ったテーラーメイドのバーナーは、「ほかに新しいものも試しましたが、結局これに戻ってきてしまう(笑)」。

そんな沼口さんの“これから”を聞いてみた。

「友人とのお気楽ゴルフも楽しいですし、緊張感のなかで最後まで気が抜けない試合にも、もっと出たい。とはいえ家事や仕事の合間にしか楽しめないのは悔しい部分もあります。でもゴルフが大好きですし、末永く続けたいですね」

向き合い方は人それぞれ。自分のペースで歩く沼口さんの傍らには、これからもずっとゴルフがいるはずだ。

沼口宣江さんの14本セッティング

年代やメーカーはバラバラだが、これは使ってみて厳選した結果。6番からのアイアンはミズノプロの鍛造を愛用しているが、初めて買ったキャロウェイのスチールヘッドX-14は手放せない

週刊ゴルフダイジェスト2024年12月24日号より