【キミこそ王子だ】Vol.339 中国ジュニア&中国アマを制した逸材! 兄はPGAツアーでも活躍するあの選手
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王子候補は岡山県出身、作陽学園高校2年の久常優樹くん。今年度、一気に才能が開花した優樹くんの兄はPGAツアーのシード権を獲得したあの人! 武市が興味津々でインタビューに臨んだ。
今回の王子候補
久常 優樹さん
ひさつね・ゆうき ●主な戦歴/2024 中国アマチュアゴルフ選手権 優勝 ●ベストスコア/65(霞ヶ関CC) ●練習/毎日3時間300球強 ●トレーニング/ 特になし
今年「中国ジュニアゴルフ選手権」と「中国アマチュアゴルフ選手権」を制し、大ブレーク中の久常優樹くん。
久常という名前を見てピンときた方も多いと思うが、兄は久常涼プロである。その兄の影響でゴルフを始めたのは小1のとき。最初は漫然とやっていただけだったが、小6のとき全国大会の地区予選で優勝したことをキッカケに本気モードに突入。
学校は兄と同じ岡山県の作陽学園高等学校。普段は倉敷の叔父の家に下宿をしていて、週末に津山の実家に帰るという生活を送っている。
「涼プロとは仲いいの?」
「普通です。日本とアメリカで生活拠点が離れているため、それほど頻繁には顔を合わせませんが、会えば普通に話はします」
「歳が少し離れているもんね」
「性格もちょっと違い、兄は強気ですが、僕は比較的おっとりしているので(笑)」
「確かにイケイケやったわ(笑)」
実は8年前、当時中2だった涼プロを当コーナーで取材させてもらっている。
その際、物おじせずガンガン質問してきた姿がすごく印象に残っているという武市。
一方、柔らかい印象の優樹くんだがスウィングは兄と同様迫力満点だ。
「さすがは絶好調男。クラブが振れているね〜」
「最後まで振り切ることは自分でも意識しています」
「振り切ってこそインパクトが緩まないからね」
優樹くんは、昔、兄もお世話になったコーチに習っている。ただ、あまり細かいことは言わない方針のため「兄弟のスウィングはあまり似ていない」と武市。
「フェースの使い方が違うよね。兄の涼プロは少しフェースローテーションを入れるタイプ。一方、優樹くんは左手をストロング気味に握り、バックスウィングでフェースをシャットに使うのが特徴。トップでフェースが天井を向くくらいシャットだけど、そこからローテーションはあまり入れず体を一気に回転させることで飛ばしていく。でも、共通点もあるよ。それは地面を蹴ることで得られる力“バーティカルフォース”を上手に使っていること。優樹くんの場合はバックスウィングで右足に体重を乗せて沈みつつ、ダウンスウィングで、地面を両足で思い切り蹴っている。ジャンプするくらい。これから筋肉がついてきたら飛距離はもっと出るはず。すごくポテンシャルを感じるスウィング。やっぱり地面は悪いことに使わず蹴らないとね」
「?」
「地面っていうとどうしても、ドラマ『地面師たち』を思い出してしまって(笑)。冗談はさておき、これからが楽しみ。卒業後は?」
「プロか大学かまだ考え中です」
「涼プロと比較されてプレッシャーかもしれないけど、マイペースでがんばって」
「はい、ありがとうございます」
とっても礼儀正しく周りへの気配りができる優樹くん。スウィングも含めすっかりファンになった武市であった。
週刊ゴルフダイジェスト2024年12月17日号より