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【スウィング研究】米澤蓮「わきを絞った低いトップから地面をしっかりと踏み込んでいく」

今季初優勝を果たした米澤蓮、小木曽喬、幡地隆寛、3選手のドライバースウィングを、それぞれの自己分析をもとに合田洋プロが解説。まずは、中日クラウンズで逆転優勝を飾った米澤蓮のスウィングから。

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara、Yasuo Masuda、ARAKISHIN、JGTO images
解説/合田洋

米澤蓮 1999年7月23日生まれ、岩手県出身。ジュニア時代から数々のタイトルを獲得。21年12月にプロ転向。23年後半に2位タイに2度入り、初シード獲得。今年中日クラウンズで初優勝した後、横浜ミナトChampionshipで2勝目を挙げた

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アーリーコックで
ハンドファーストにインパクト

3人の中で最も個性的と合田プロが表現したのが米澤蓮のスウィング。

「おそらく独学で作り上げたスウィング。アドレスから、軸を左に保ちながら右の股関節を生かしてクラブを上げていきます。この時、頭の位置が全く変わらないのはさすがです。アーリーコックで先にトップの手首の角度を作り、そのまま肩と腰を使ってトップに収めたら、手首の角度を保ったまま左の股関節上でターン。

この動作を可能にしているのが、左足の踏み込みによる切り返しです。地面へ踏み込み深く曲がった左ひざをインパクトにかけて伸ばしてクラブを加速させます。これは励振といって、ブランコをこいで加速させるのと同じ動き。普通の選手は軸や体重、頭を使ってこの動きを取り入れるのですが、米澤選手の場合は軸を左に保ったまま、ほとんど左足の動きだけで振っています。足の使い方が上手く、インパクト後の動きまでバランスがいいですよね。

また、ドライバーでは考えられないほどハンドファーストでインパクトしています。クラブと左腕が一直線になる瞬間が、ヘッドスピードの最速点ですが、彼は、その瞬間がインパクトのかなり先。これはアイアンに最高の動きなので、アイアン巧者でしょう。また、フックグリップでわきを絞るのも、ハンドファーストと関係します。フックグリップのほうが右に飛ばなくなり、わきを絞ると腕の位置が胸の前から外れにくくなる。こうすることで腕に頼らず体で振れてショットの安定性が高まります」(合田)


米澤蓮の1Wスウィング

<セルフ解説>
「バックスウィングで、しっかり上半身をねじることを意識していますが、わきを絞ることでトップが高くなりすぎないように意識しています。これは正確性のため。そして切り返しからインパクトにかけて地面をしっかり踏み込むことで地面からパワーをもらっていく。ダウンスウィングとかは一切意識していないので、切り返しでプレーンに乗せてそのまま振っていく感じです」(米澤)

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週刊ゴルフダイジェスト2024年11月19日号より