【キミこそ王子だ】Vol.81 河本結「憧れのイチロー選手のスウィングをゴルフに応用」四国を席巻する美人女子高生
雑巾王子こと武市悦宏プロが、全国の有望なジュニアゴルファーのもとを訪れ、大人ゴルファーにも役に立つゴルフのヒントを探る当連載。今回の王女候補は愛媛県、高山聖陵高等学校3年の河本結さん。彼女の尊敬する人は、野球のイチロー選手。彼の動きを研究し、自らのスウィングに取り入れたとい結が、その着目点とは!?
今回の王女候補
河本 結さん
かわもと・ゆい ●主な戦歴/2015四国高等学校ゴルフ選手権春季大会優勝 ●ベストスコア/66(エリエールゴルフ松山) ●練習/毎日3~4時間(300球) ●トレーニング/週3~4回、ジムで筋持久力を高めるトレーニング
ポニーテールがトレードマークの河本さんは、明るくノリがよく、一見するとイマドキの女子高生で
ある。
「あ、見たことある。雑菌王子ですよね」
「雑菌じゃなくて、雑巾王子ね(笑)」
さすがの武市もタジタジ。しかし、話を聞くと、中身はびっくりするほどストイックだった。定期
的にジムに通うほか、野球部の合宿に参加し、体づくりに励んでいるのだとか。
「野球部に? 女子ひとりで?」
「はい! 知ってます? タイヤ引きとか、めっちゃ辛いんですよ。でも、お陰で体幹が強くなりました」
実は、河本さんは大のイチローファン。公式プロフィールの「目標とする人」の欄にも、ゴルファーではなくイチローと書いてある。
「イチローさんの、世界で通用する技術、ブレない精神……すべてを尊敬してます」
なんと、イチロー氏のバットスウィングを研究し、そのいいところを、自らのゴルフスウィングに取り入れているのだとか。
「イチローさんの“タテ振り”を意識しています」
「ボクもイチロー選手は相当研究したんだ。だから、すっごいよくわかる」
河本さんはドローヒッターなので、調子が悪くなるとトップからの切り返しでクラブが寝てしまうのが悩みだった。しかし、イチロー氏の“タテ振り”を意識するようになってから、症状が治まっているという。
実際、スウィングを見てみると、左サイドを軸にして上からドーンと打っているのが分かった。球も高く、飛距離も出ている。
「ドローヒッターはいわゆる“タメ”を作ってしまうタイプ。その欠点は、タイミングが合わないと、体が開き、クラブが寝てしまうこと。一方、イチロー選手は、動きに“タメ”というアクションがまったくない。つまり、体が開くことがないから、バットが寝ない。これが、彼女のいう“タテ振り”だね。ただファンなだけでなく、動きを参考にしたのは、大正解だよ!」
タメをつくらず、体を開かないで打つ。するとバット(クラブ)が寝ないので、振り遅れずに打つことができる―― これは武市が以前から提唱している“ツイストスウィング”の理論とみごとに合致する。
「野球界で一番ツイスト打法なのは、間違いなくイチロー選手だよ」
「ツイスト打法は初めて聞きましたが、イチローさんはやっぱり神ですよね」
河本さんは、“タテ振り”スウィングを、実際に野球バットを振ることで体に染み込ませた。
「以前、バットを振っていたらみんなに馬鹿にされたんです。でも、今は流行ってるでしょ。私にして
みたら、『はッ? いまごろ?』って感じなんですけど(笑)」
ウェアとリボンを可愛くコーディネイトし、華やかな河本さん。
「プロになったら人気出そうだね」
と雑菌……、ではなく雑巾王子も太鼓判を押した。
週刊ゴルフダイジェスト2016年8月2日号より