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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.145「一緒に回るなら上級者よりも初心者が断然楽しい!」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

ゴルフは誰と回るかによって、1日がぜんぜん違う印象になる。気の置けない仲間とワイワイやるのと、試合で初めての人と回るのとでは、空気がまるで違う。まったく違う印象の1日となることは、みなさんも経験済みだろう。一緒に回る人によって、スコアもガラリと変わる、なんて人もいるかもしれない。

よく上手な人と回ると勉強になる、なんて言うよね。スウィングそのものもさることながら、プレーのリズムやマネジメントが参考になるとか。ボクも一緒に回ってください、なんて言っていただくこともあり、光栄に思っている。ただ、そのときに「下手で申し訳ないです」とか謝る人がいる。60台で回る上級者は100を打つアベレージゴルファーと回ると、集中力がそがれるとか、リズムが崩れるとかで、イライラすると思われているのだ。もちろん、そういう人も少なくない。もとい、結構いる。

でも、ボクはもともと、あまり感情の起伏が激しくないので、誰と回っても平常心でいられる。なので、初級者であろうが、初ラウンドのド素人であろうが、ぜんぜん楽しめるタイプである。むしろ、上級者や超上級者と回るほうが、いつも一緒なので退屈だ。もちろん、会話は楽しい。でも、スウィングやリズム、マネジメントはだいたい似たり寄ったり。全員、こなれていることに変わりはない。そういう意味で、あまり発見がなく面白くない。

上級者とのラウンドも勉強になることはあるが、初級者とラウンドすると、今まで気づかなかったこ
とや、面白い発見がある

一方、初級者やアベレージゴルファーのプレーはいろんなことが起こりドラマチックだ。その分、いろいろな発見があり面白い。馬鹿にしているのではなく、本気でそう思っている。ゴルフに対して真剣で
ピュアな部分にもハッとさせられることがある。

以前、アベレージ130という人と回ったときのこと。彼はほぼ全ショットOBと言っても過言ではなかった。右も左も。セカンドOBも多々。奇跡的に曲がらないときは、チョロかテンプラ。

しかし、グリーン上では一変。入る、入る。3パットはゼロ。1パットもいくつもあった。パターだけ、練習しているのかと思いきや「パターなんか練習しませんよ」と言う。パター「なんか」だって(笑)。じゃ、なんでそんなに入るの? どうやって打ってるの? と聞くと、①とにかく頭を動かさないこと、②グリップの前面(平らな部分)を真っすぐ動かすとの回答を得た。おっしゃるとおり、彼はインパクトして、だいぶたってから頭を上げる。絶対にヘッドアップしない。

そのことから、ボクは改めてパットは軸ブレしないことが重要であること、そして気持ちの部分でもブレずに、思ったことをやり切る大切さを学んだ。みなさんも、一緒に回る人から上達のヒントを得たいなら、上級者もいいけど、ときには超ビギナーを誘ってみるのもアリ! 遅いとか、マナーがどうとかでイライラせんと、前向きに行こうよ。何かしら、プラスとなる気づきがあるはずだよ。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2020年3月3日号より